〝アオ〟を求める少年と友達、〝アオ〟の少女と演劇部 「風鈴」を軸に進む高校3年間を描く日常系ライトノベル。
プロローグ冒頭抜粋
僕は〝アオ〟が好きだ。
アオ———それは青と似ていて、でも、青とは違う。
青は例えるなら、絵具の色や、そ
の原料のラピスラズリの色として想像される。それは正しい。
また、人によっては拡大解釈として、海や空の色も青と呼ぶかもしれない。それも正しい。
ただ、僕の言う〝アオ〟とは違う。
〝アオ〟は目に見えない。でも、見える気がする。そういうものだ。
例えば、MV(ミュージック・ビデオ)や映画などの映像作品で敢えて青みがかった画が撮られることがある。あなたはその画に何を思うだろうか?
———懐古、悲哀、寂寞、哀惜、閑寂———
———こんなところだろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-01 00:03:08
37005文字
会話率:58%
――青い、蒼い、碧い。
其処は〝アオ〟で染まれた不思議な空間だった。目に移る情景全てが神秘的、しかし何処か空虚さが滲み出ている――そんな場所で、青年・ヨハンは出逢った。憂いを帯びた瞳を持ち、儚げな雰囲気を持つ黒髪の少女・エルに。
こ
れは、彼等がその足で歩み、進み、紡ぎ出した――〝エルの軌跡〟を辿る物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-09 18:19:29
113949文字
会話率:34%