幼い頃、私が一つの土地で過ごした時間は、あまりに短すぎました。友達ができたときは、別れのとき。出会っては別れてを繰り返して・・・。短い時間の付き合いだったからこそ、中身は濃かったとも言えるけど、本当は、もっともっと、長く一緒にいたかった。「
一緒にいたい」と思えば思うほど、想い出は美しく磨かれて、一点の曇りもない素敵な記憶に変わる。でも裏を返せば、その記憶には、もう戻ることができないということ。ずっと美しい記憶のままで、忘れないことだけが、私にできることだと思っていました。それがいつの日か、現実に引き戻されるとも知らずに・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-05-08 21:56:29
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