2018年、深刻化するゲームセンターの過疎化によって星の数ほどあったゲームセンターは次々と店を閉じた。
この問題を解決すべく、従来のアーケードゲームをすべて破棄、そして大手ゲームメーカーだった5社が共同で新たなアーケードゲームをひとつだけ開
発した。
-The fourth assist combat-
最大24人もが同時に参加できるいわば「超体感型ガンシューティングアトラクション」だ。
ゲームフィールドは直径50mドーム型の施設で、プレイヤーはそれぞれヘッドマイクの付いたゴーグルを着用する。そのゴーグルがいわゆるゲーム画面を映し出すのだ。ゲーム画面といっても視界が大幅に変わるものではなく、普段の視界に「自分のLIHEゲージ」「装備中の武器の残数」そして実際には持ってないが手にはゴーグルによって映し出された「装備中の武器」が映し出されるのだ。
ゲームルールは4人1組のパーティーを組み、協力して敵を倒す。
プレイヤーは
もっとも基本的でバランスの取れた「基本型」
遠距離からの支援を得意とする「支援型」
唯一回復アイテムを持っている「援護型」
逆に一切の銃を使わず刀で戦う「格闘型」
の4つのタイプからひとつを選ぶ。
4人でパーティーが組めたら、次はいよいよ実戦である。
敵を倒すことによってLvが上がり、基本能力が上昇する。これはプレイヤーだけでなく使っている武器も同じだ。そうしてパーティー全体を強化していき、より強い敵を倒していくのである。
このゲームがネット上のニュースで出てからというもの、ゲーム情報雑誌はもちろん、平日の奥様方しか見ないようなワイドショーでまで取り上げられた。
全国20箇所に設けられたその施設では、βテスターの募集が行われた。
βテストは夏休みの1週間を利用して、その施設に泊り込みで行われるものだった。
βテスターの採用数が各施設48人、合計960人なのに対して、応募総数は10000000を上回る数となった。
書類による「適正審査」、健康診断による「健康調査」、これらを潜り抜けた者は80000人となった。
未確認のゲームなので開発側も慎重に行きたいのだろう。
そして、最終選考でβテスト参加者の960人が選ばれたのである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-05 15:25:38
3799文字
会話率:37%
遠い未来の物語。人々はゴーグルに支配されていた。降り止まない雨の街で、錆鉄の匂いと、一部の特権ゴーグルの横暴に蝕まれながら、雌伏の時を過ごしていた。だが人々は決してその牙と炎を失ってしまっていたわけではなかった。鬱積した怒りを刃に変え、それ
を奴等のゴム紐に突き立ててやる日を待っていた。
ついに時至れり。指導者、ノーラ・ドッグマンの鶴の一声で、一斉に蜂起する人間たち。あまりに有名な「第一次ゴーグル戦争」の幕開けである。
血で血を洗う総力戦は、やがて少年少女、幼いゴーグルたちまでも巻き込み、苛烈を極めていく。そんな戦場の片隅で、運命的な邂逅が果たされる……
これは一人の少年兵と、傷ついたゴーグルの友情物語。「殺せ」矜持に奮い立ち、目一杯の虚勢を張るゴーグルを、しかし少年兵は叩き割ることが出来なかった。
少年とゴーグルは大いなる時代の潮流、運命を乗り越えて、真の絆を手にすることが出来るのか。感動のスペクタクルが今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-10 22:25:31
70908文字
会話率:57%