物語の中に父はいる。人々の語るところによれば、ある国のある女王が蜘蛛姫を産んで、その化け物蜘蛛が国を滅ぼしかけたが旅の高僧によって追い払われたのだという。少女ロウの父はその物語の中で蜘蛛を愛する舞踏家として登場する。愛を囁き、兵士から姫を
庇い、父は国を追われることになった。少女はその物語を知っている。だとしたら、この自分は一体なんだろう。少女は父の愛する舞踏を知らず、父の愛する蜘蛛を知らない。もし本当に父が蜘蛛を愛したとして、生まれた自分は蜘蛛なのか、蜘蛛姫は自分の母なのか、それすらもわからずに少女は今を生きている。わからないと思うから、わかりたいと思う。目の前で父を失った少女は、不思議な仮面を拾い、父を知るために舞踏の世界へと足を踏み入れる。仮面をつけて踊るたび、心と体は次第に蜘蛛へと近づき、少女は自らを失っていく。蜘蛛と舞踏の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-03 23:34:10
142245文字
会話率:32%
※1話更新。次更新未定。
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最終更新:2013-07-01 20:58:41
6310文字
会話率:26%
※1話更新。次話未定。
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最終更新:2013-07-01 20:45:16
621文字
会話率:37%
日本の仏教界の比叡山と並ぶ聖地、高野山内で、1人の尼僧の首吊り死体が発見された。このショッキングなニュースは全国の真言宗の末寺まで伝わり、高野山尼僧学院は、一度廃止になる。苦慮する高野山の高僧達だが、再び期間を二分の一にして尼僧学院をオープ
ンする運びとなった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-29 00:36:28
870文字
会話率:0%
2500年前のインドにヴィマラキールティ(維摩詰)という愉快なおじさんがいました。金持ちの商人でありながら仏教の悟りを開いてしまい、そこいらの高僧などまどろっこしくてついカラカッてしまうという、とんでもない人です。この維摩居士がわざと病気に
なって寝込んだところへ、お釈迦さんの代理としてマンジュシュリー(文殊菩薩)がお見舞いにきました……智慧者同士の頂上対戦、はたしてどんな問答が交わされまするやら? 聖徳太子も愛読したという在家仏教を説く仏典「維摩経」を、ちょいとおバカなノベルに書き直してみようという試みです。「誰得?」とかは言わないで☆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-01-16 06:54:57
53942文字
会話率:17%
「封魔の城塞アルデガン」の時代に先立つ数百年前、吸血鬼に身を堕とした邪悪な男を描いた「百の昔の凶つ歌」の続編であると共に、城塞都市アルデガンを建立する直前の尊師アールダの最晩年の姿を交え、東の地における後の災いの種になるとある事件を描いてい
ます。
某SNSにて2009年に発表したものですが、ここでは執筆順ではなく出来事の時系列に沿って再掲させていただく方針ですので、どうぞご了承下さい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-12-21 20:48:47
13797文字
会話率:45%
「封魔の城塞アルデガン」の時代に先立つ数百年前、吸血鬼に身を落した邪悪な男がなぜ城塞都市に移り住むに至ったかを、バラッド風に書いたもの。
某SNSにて2008年に発表したものを、2011年により古めかしい言葉使いに改稿したものです。
最終更新:2011-12-15 21:58:56
703文字
会話率:84%