西暦21××年、世界の半数以上の研究機関を統合した環境保護プロジェクトが始動した。慈愛に満ちた頭脳の集積――しかし徐々に歯車の狂い始めたプロジェクトは、いまや手段を選ばない『裏の国連』と恐れられている。
そんな中、プロジェクトの化学科に
所属する若い科学者3人が、未だに独立紛争の続くアフリカの一国へ派遣された。目的は、その国が独自に開発しているらしい兵器に使われる希少な鉱物を譲渡してもらえるよう政府に交渉してくること。
そうして無理な任務に就いた彼らだったが、降りついた先の旅路で、戦火に消える哀しく不気味な幻とそれより不気味な世界の実情を垣間見ることになる――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-26 17:08:28
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会話率:34%