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花待ちびと〜たつき異聞奇譚〜
作:汐の音
純文学
短編
N7435HN
街道沿いに立つ、非合法の遊女屋でもある旅籠の養女として引き取られた「私」は、ずいぶんと長く虐げられ、醜女と言われながら、朝から晩まで下働きをして暮らしていた。 そんな自分の名を呼んでくれるのは、年にたった一度。桜のころに秘密裏に届けられる誰かからの文(ふみ)だけ。 慈しみにあふれ、毎年一通ずつ増えてゆくそれらを心の拠り所に生きてきたが、ある日、とうとう養母に戒められた禁を破ってしまった。外の客に顔を見られたのだ。 「私」の運命は。 まさか、このまま──? 五千字
弱の和風短編。ひとの子の乙女と、いつかのときに約束を交わした「文の君」との物語です。
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キーワード:
R15
異類婚姻譚
シリアス
女主人公
和風
番い
桜の便り
足長おじさんかと
思いきや
まさかの溺愛だった。
遊女
春をひさぐ
人外の青年
ハッピーエンド
最終更新:2022-03-21 12:51:23
4498文字
会話率:15%
IN:0pt OUT:59pt
総合ポイント:302pt 評価ポイント:262pt
たんぽぽの咲く土手
作:齋藤 一明
純文学
短編
N4139DI
『サークル・シエスタ』第三回短編課題 「再会」 参加作の3 「タンポポの咲く土手」 意見交換会でいただいた助言を参考に、改稿しました。 全国から桜の便りが届く頃、山あいの里ではまだ春の予兆が顕れたばかり。とはいっても、今を盛りと咲き誇る桜も良いが、自然が見せてくれる風景ほど魅力的なものはない。 山から木を移植しただけの素人庭でしかないが、間近の山を背景にとりいれた庭は、父の部屋の正面にあった。そこはまた、鐵道に生涯をかけた父にとって憩いの場でもある。 里で戯れる
風を見、さまざまな姿をみせる雨を愛で、遠く近く列車の鼓動を聞くことが楽しみなのだ。 山里にも春が訪れ、衆目を集める花が散ると、野の花が控えめに己を誇示する。それに誘われて散歩に出た父は、無人駅のホームで枕木に目をやっていた。 うららかな陽気は追憶の扉を開き、父はそこで元気いっぱい駆け回っていた。 騒々しい音とともに出現した列車は、父がハンドルを握った車両だった。思いがけない再開に、父は吸い寄せられるように乗り込み、現役でハンドルを握っているかのように澱みない操作を繰り返している。 不意に父が前方を示した。 懐かしい車両に出会えた父を称えるつもりか、土手で見送るものがいた。
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キーワード:
サークル・シエスタ
再会
山里
運転士
音
懐古
最終更新:2016-06-03 07:00:00
7652文字
会話率:8%
IN:0pt OUT:39pt
総合ポイント:100pt 評価ポイント:78pt
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