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検索結果:6 件
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この物語の主人公は、越後の百姓の倅である。
本当は跡を継いで百姓をするところ、父の後釜に邪険にされ家を出たのであった。
江戸に出て、深川で飛脚をして渡世を送っている。
歳は十九、取り柄はすけべ魂である。女体道から女観音道へ至る物語である。
慶応元年五月、あと何年かしたら明治という激動期である。
その頃は、奇妙な踊りが流行るは、辻斬りがあるはで庶民はてんやわんや。
これは、次に来る、新しい世を感じていたのではないのか。
日本の性文化が、最も乱れ咲きしていたと思われるころの話。
このてる吉は、飛脚であちこち街中をまわって、女を見ては喜んでいる。
生来の女好きではあるが、遊び狂っているうちに、ある思いに至ったのである。
女は観音様なのに、救われていない女衆が多すぎるのではないのか。
遊女たちの流した涙、流せなかった涙、声に出せない叫びを知った。
これは、なんとかならないものか。何か、出来ないかと。
……(オラが、遊女屋をやればええでねえか)
てる吉は、そう思ったのである。
生きるのに、本当に困窮しとる女から来てもらう。
歳、容姿、人となり、借金の過多、子連れなど、なんちゃない。
いつまでも、居てくれていい。みんなが付いているから。
女衆が、安寧に過ごせる場を作ろうと思った。
そこで置屋で知り合った土佐の女衒に弟子入りし、女体道のイロハを教わる。
あてがって来る闇の女らに、研がれまくられるという、ありがた修行を重ねる。
相模の国に女仕入れに行かされ、三人連れ帰り、褒美に小判を頂き元手を得る。
四ツ谷の岡場所の外れに、掘っ立て小屋みたいな置屋を作る。
なんとか四人集めて来て、さあ、これからだという時に……
てる吉は、闇に消えたのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-29 22:05:25
143797文字
会話率:76%
IN:0pt OUT:93pt
総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt
棒手振りで魚を商う半吉が、得意先の商家で嫁取り話を耳にした。浮世絵師の眠々斎が岡場所の女郎・お軽を嫁に向かえるという。
半吉はお軽の馴染み客で、二人は夫婦になる約束をしていた。
半吉はお軽に事の次第を問い詰める。お軽は窮地から何とか脱し、半吉は眠々斎に引導を渡すのであるが……。
最終更新:2019-10-18 20:00:00
5433文字
会話率:59%
IN:0pt OUT:26pt
総合ポイント:34pt 評価ポイント:30pt
酒は飲んでも飲まれちゃいけねえ。
江渡城下の岡場所で使いっ走り兼用心棒をしている平蔵は、酒に酔った帰り道めっぽう美しい一振りの刀を手に入れた。
金になりそうだと長屋に持ち帰った翌朝、玉のように美しい女が平蔵の前に三つ指をついていた。
「ふつつかものですが、よろしくおねがいいたします」
……ただし、童女だったが。
拾った刀には、ご神木で造られた特別な鞘を依り代とする神、鞘神(さやがみ)が宿っていたのだ。
質屋に売られようと刀をかついで平蔵のもとへと舞い戻ってくる童女、さや
。仕方なくほっとくことにした平蔵は、次から次へと魍魎はびこる怪事件に巻き込まれてゆくのだった。
だめおっさんと人外幼女がおりなす痛快アクション時代劇。
※カクヨム、ツギクル、セルバンテス、アルファポリスにも投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-15 19:02:16
141288文字
会話率:37%
IN:0pt OUT:63pt
総合ポイント:4253pt 評価ポイント:2351pt
華やかな不夜城・江戸吉原の吹きだまり。それが鬼の住む『羅生門河岸』──。
時は江戸後期。
岡場所の手入れにより捕まったおまつが、吉原遊郭の中でも最下級である「羅生門河岸」に連れてこられたのは二年前。
「鬼」と呼ばれる下級女郎たちに混じって懸命に生きていたある日、河岸にはあるまじき美女が隣に越してきた。
「すずめ」と名乗るその女は訳ありらしく、頑なに心を閉ざしている。
最初は関わり合いになるのは真っ平だと思っていたおまつだったが、とある事件に巻き込まれ──。
【吉
原用語集】
自サイトにて吉原遊郭についての専門用語を解説しています。よろしければ。
吉原基礎知識|https://magaki.sakura.ne.jp/yoshiwara.html
※この作品は自サイトおよびカクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-12 21:42:02
46096文字
会話率:28%
IN:0pt OUT:6pt
総合ポイント:168pt 評価ポイント:94pt
天保の改革後のこと。将軍家慶は家臣遠山景元と打ち首役の山田浅右衛門の昔話を聞く機会に巡り合った。
二人が十六歳と二十二歳の若き時分、一人の浪人者と出会った。その名は清太郎。実は殺し屋という、普段は岡場所の用心棒をしている、なんとも飄々とした男であった。その岡場所にいつの間にか居候することになった浅右衛門、当時源八郎は、押しかけ弟子のような、当時無頼少年だった遠山金四郎と共に怪奇な事件に巻き込まれていく。
あやめという少女が、最近連続して起こる辻斬りは兄が作り出す妖刀の
仕業だと告げる。真偽を確かめるため三人は調査を始めるが……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-01 13:59:27
98520文字
会話率:43%
IN:0pt OUT:52pt
総合ポイント:14pt 評価ポイント:10pt
「自分が幸福だったなんて気づきもしませんでした。不運なんてものは、前触れもなく突然やって来て、そんなことを教えてくれるんですね」少し落ち着いてから太兵衛の女房は誰に言うともなく呟いた。
何を斬っているのだろうか?
ふいにそんな疑問が駒吉の頭に浮かんだ。何故あの男の考えていることを覗こうとしたのだろうか。いや、覗こうとしたのではない。あの男の体が訴えているのだ。余りにも強い怒り、怨嗟、慨嘆が入り混じった目の光は底が無いほど暗かった。きっとあの男は、この世にある全てのものを
斬ってしまいたいに違いない。
この世を怨んでいる。そして、自分自身さえも憎んでいる。
岡っ引きであった父親の後を継いだ文吉の前に、連続辻斬り犯があらわれる。辻斬りの目は世の中に対して、そして自分自身に憤りを感じている悲しい光を放っていた。文吉の幼馴染芸者の駒吉が自ら囮となって辻斬りを呼び寄せる。しかし、伯耆流抜刀術の使い手である吉川八左衛門の殺戮はだれにもとめられない。吉川八左衛門の前に立ったのは同じ長屋に住む手習い指南所の師匠、竹光を腰に差した数馬であった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-07-18 08:22:14
47950文字
会話率:45%
IN:0pt OUT:41pt
総合ポイント:56pt 評価ポイント:52pt
検索結果:6 件
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