温厚な長老の目に怒りが満ち、最近アルビノに宗教団体がとんでもない買値をつけたと話した。
「It's not uncommon to have reconnaissance units from other countries」
(他国の偵察隊は珍しくない)
視覚を確保する網状のベールがついた全身刺繡のかたまりが突然しゃべった。
美しい黄金の髪がランプの光を反射して、陰影を泳ぎ、ピンクゴールド、ヘーゼル、深みあるショコラブラウンと、光の加減により一区切りでは言い表せない美しさが辺りに満ちる。
”…な!”
艶のある黄金の羽を整え、立ち尽くす児童は均整のとれた美顔に切れ長な目じり、真っすぐに整然と正面をみつめる。すらりと伸びた手に浮き出た青い血管が肌の色を感じさせない。砂ぼこりで薄汚れた小屋に不釣り合いな光沢が教団兵のやつれ黒ずんだ顔を照らす。
赤毛の鉱脈を辿りルビーを掘り出すために、彼は美しい前髪に隠れた瞳を確認した。
「〇@ダッガ、バルファサイ$xァー!」
アラムは叫び、地面に額をこすりつけた。
透き通る美白の幼女がもつ神秘的な紅玉《こうぎょく》の虹彩、彼女こそ彼らが探し求めていたアルビノである。
◇アルビノのエマが島にやってくる前のお話です。折りたたむ>>続きをよむ