-サイン帳- 小説家になろう 更新情報検索 - 新着順 -

今日は高校の卒業式。 いままでお世話になった先生や友達に別れを言う日。 私は気持ちのいい別れをしようと思っていた。 なのに、何でこんなことになったんだろう……。 昔、「物書きさんに20のお題」からお題をお借りして書いたもの。 ノベプラ、カクヨムにも同じものを掲載しています。

──何でもないことだぜ！　そう元気に言って、間もなく花を咲かせたような笑顔を浮かべた彼女は明るくて小さくて強気な担任教師。さあ飛び出せ今こそ現代の粋を極めた電脳世界をゆくハイパー教師が、悪人どもを凪払う。土下座しようが悔い改めても千切って投げて凪払う。実に頼れるタフなヤツなんだぜ──

卒業式が近くなると女の子たちはサイン帳に思い出を集めだす。一番好きな人に僕が書いたのは…。

卒業の季節が巡る度に思い出すのは、渡すことの叶わなかったサイン帳とともに終わった初恋。そんな初恋に想いを馳せていた僕の目の前に現れたのは、二十数年ぶりの、サイン帳の彼女だった。