-ひろ葉- 小説家になろう 更新情報検索 - 新着順 -

現実逃避の夜がある。どうしてもある。どうしてもやって来る。無力さを知る。一人で生きてはいないけれど、人は一人のままだろう。家族の声を耳にするほど、その思いが強まる。

感染症が治まることは、しばらくはないだろう。社会は少しずつ、これまでのシワをうねらせて、別のシワを作っているようだ。人員整理と人手不足の間で、人は追想しつつ、また明日も暮らしてゆく。

夢はあまり見ない、見ていてもたぶん覚えていないのだろう。それが、鮮明に記憶にあるのは、何かしら意味があるように思えてくる。歪んだ理由を思えば、あれこれと浮かぶ。浮かぶけれど、手の施しようはない。歪まないようにするために、たとえば、宗教はあるのだろうか。どれほど、歪んでいるのだろう。自分の型枠を見てみたい。

何を見ているのかなと思っていたら、ほとんどの人はゲームみたいで、そんなに夢中になれるのって、ある意味幸せなんだろうなと思った。生き物は、脳で感じ取るのだとしたら、脳だけ生きていればいいような気がしてしまう。体があるのはなぜなんだろう。繁殖のため、脳を維持するため、移動のため、なんとなく、思考がずれてきた。これもゲームなんだろうか。

好きなことをめがけて、好きな人を求めて、一本道をゆく。歩けるときに、歩き出す、歩けるときに、歩き続ける。それが、人の生きること。生い立ちは、好きと嫌いの感情に蓋をして、立ちつくしていたとしても、そこからでも、一本道をゆくが良い。

何かをしようとは、もう考えてはいない。誘われればする、出くわしたら話す、芽を出せば育てる、食べられるものがあれば食べる、なければ寝る。それでも、楽しく過ごせるのは、たまたまの、お陰様で、ということだ。

よく知らない、知らないままの、感じることだけをブツブツ言った。あまり、良い気持ちはしない。だけど、ブツブツ言っている。あれもこれもと、次から次へと、頭が変になる。変になっている。

流されるままに生きてきました。気がつけば、ただのいい人です。それなら、とりあえず眠れるから、そうなんだと知っています。自然の営みを大切にしたいけれど、車にも乗るし、エアコンもつけるし、原子力でできた文字でこれを書いている。それらは昨日のことであってほしい、なんて。

よくわからないままに、命を使ってゆく。幸せについて、思ってみることは、命を使うなら、あったほうがいいだろう。今夜また、思ってみた。乾いた一人の部屋も揺れていた。

支離滅裂、ふと考えることは、書けない。なぞるように書くと、最後は、気をつけてね。今年の冬は、去年より寒くなりそうで、なんとなく、去年より温かくしていてほしい。

私は、私のままでいいですか。好きでいてもいいですか。そう尋ねているのは、私たちかもしれない。そんなこと考えてもいない私たちも、あるかもしれない。答えはわからないけれど、毎年、冬の入口にさしかかると、考えている。

駅の目立たないところにあるエレベーターで、改札までゆくのが、帰りの日課だ。ほとんどの人は、エスカレーターでゆくので、いつも一人で乗っている。そこへ女性が走り込んで来た。突然の非日常。急ぐのに、エスカレーターが混んでいたかな。

自分だって、ちょうどいい目線で話せない。ともすれば、直視もできない。ボソボソと話していることが多い。心のどこかで、わかりやすい絵を描けたらいいなと思いながら。

認知症の人の世話をしていると、記憶が無くなるのも、本人にすれば、それはそれて、いいのかもしれないと思った。困るのは周りの者だけで、本人は、今、その瞬間が全てなのだから。 厄介な出来事の記憶に翻弄されて、明日が立ち行かないなんて、そんな馬鹿げたこともないだろう。横柄な人の記憶のせいで、人生を言いなりにされるなんて、あってはならないと思う。

もうあまり時間がない。なおさら、これからを大事にしたくなる。悩むことは、良くも悪くも毎日ある。それはそれであるなら、少しだけでも、毎日あることに、できることをする自分を加えようか。ぼくらは、あっという間にここに来た。あっという間に次に、あの世に行くのだろう。どうする、どうしよう、この世でできることを、これから、しよう、一人ではしんどいけど、二人で、三人で、皆でしよう。なんとなく、そしてそれなら、できるような気がしている。自分を輝いているかを、そういう気持ちを思い出しながら。

柿の木が気になって、また見に行った。数日の間に、さらに熟していた。 自然の営みは、熟すことも必要と言っている。書き続けることは、熟すだろうか。人の心は、安らげるだろうか。

秋空、爽やかで清々しいけれど、心の空、その風は幻想のままに、流れてゆく。この世、ほんとの気持ちで生きている瞬間に、日がさすことはないという。

柿の実は、だいたいの年、たわわに実る。摘果せず、放ったらかしなので、鳥の餌にしかならない。父が食べていた柿の種を、ふっと吹き出して、それが大きく育った柿だ。父ももう長くないと思うときに、柿は父のように見えた。もう少し、気にかけていようと思う。

何をしても、それは、人の心を動かそうとすることだと思う。動かせないなら、あまり変わりはない。

難儀な仕事は時々あるから、それはそれだから。新幹線に乗っていると、あれこれ思うこともあって、結局、何を目指すわけでなく、流れのままに生きていることを知る。空っぽになってゆく気もする。こういうことは、このまま変わらないのだろうかと思っている。

理由なんてわからないけれど、ずっと想っていることがある。理由なんてわからないけれど、忘れないことがある。とんがってゆく世界は嫌だなと、言いたくなるけれど、自分もそこで生きている。何が言いたいのかもわからないけれど、柔らかいことは、固いよりは、いいなぁと思う。

雨になる雨粒を数えられるとしたなら、どれ程の希望や絶望がその雨粒に染み込んでいるのかも、わかるかもしれない。。

秋から冬になるときに、雨が降る。冷たい雨になり、寂しい雨になり、流れる雨になる。雨のとき、あなたという言葉には、色々な人が当てはまり、明日の日を光ろうとする。

たとえば話をして、伝わるのかどうは、自分の ことから離れている。なるべく、わかりやすいように、自分なりの表現で自分を伝えるけれど、それにも、自ずと限界はある。つまりは、他人の言うことを理解してから、生きることには、あまり意味はない。他人は他人、生きるのは自分だから。

下の娘も大勢の中に入れなくて、学校にゆくことはなかった。それなのに、舞台には一人で出てゆく。なんとも不思議な彼女は、栗饅頭を食べながら、サンシャイン池崎の芸を見て、ゲラゲラ笑っていた。秋の空は週末、曇り、雨かもしれないね。

こんな安兵衛さんみたいな人がいて、こんな家で暮らしていて、妻がいて、笑い声があって、夜には真っ暗な外が訪れて、いいなぁと思った。畑の芋掘りをいつしようかと思いつつ、書いていた。

ほっとする秋の空を、見上げるなら、空の秋と言いたくなる。何にも作られずに、自ずと優しい青を背に、様々な自然が行き交うとき、人も、その一つと、思わなくてはならない。

アラームを忘れても、と言いながら、忘れる人なんているのかなと、思っていた。確かめる術もなく、自分の忘れることを考えた。

落葉を踏みながら帰った。落葉はふいにおまえを連れてきて、記憶の断片と化した。一昨日から、葡萄の棚も気になっていた。詩を書いていると、あれこれと、積もって、あれこれと、重なって、あれこれと、引きずってゆく。

近頃、よく電話が掛かってくる。用もなくかけてはこないだろう。何かあるのだ。と思ってみた。新しいコートか。大人になっても、優しい口調は変わらないなぁ。

どうしょうもないことは、この一生にどれくらいあるだろう。正義を守るヒーローは、あの頃のテレビの中、ヒーローでしかなかったのか。大切にしているものを、奪わないでほしい。朝を奪わないでほしい。

一人焼き肉、一人カラオケ、一人温泉、一人ブランコ。なんだか楽しい。ほっとする。これからも、たぶんそんな気がする。

とにかく動いてみようとしている。

近づかないことには、それなりの理由がある。その理由も、自分の人生の一つであれば、放置しておくのももったいない気がする。何故なんだろうと、思ってみてもいいと思った。

思えば、こうなるとは思わずにここまで来た。この地に暮らして、このように暮らして、それで良かったかと言えば、けっしてそうではない。いつもどうしょうもない想いがつきまとう。だから、音や詩があると素直に言いたい。

誰かに進められて、良かったと思うことは、ほとんどない。ここ数年は、全くない。いったい人々は、何をもとめているんだろう。わからない。わからいが続いて、空けになってゆく。ぼんやり、空をみることが多い。

薄のある家に帰るのは、憧れの帰路で、その家には、おまえが待っている。薄とおまえは、ぼくの憧れの現実だから、今年も中秋に浮かび上がる。これからも、ずっとぼくはその家に帰りたいだろう。それがぼくだから。

魚のことが、ずっと私の中にはある。ずっとあることを、人に伝えても、その真実は伝えきれない。真実は、人それぞれの深みを泳いでいる。もし、これを読まれた人がいて、誰かに辛い想いをされていたら、誰かには誰かの真実があることを、少し想像してみてほしい。宇宙はすべての真実の集合ではないかと思う。真実が一つしかないと思うなら、そこに絶望が芽生える。真実は、そんな悲しいものではないだろう。

ずいぶん大人になるまで、人間は突然怒り出すものだと思っていた。そうではないと知ってからも、いつもその気配はないかと、怯えている。猫背なのは、呪縛があるからかもしれない。

あれこれと、難儀はあるけれど、自分でどうにかできるなんて、思ってもいない。

なにかに腕を伸ばしていないか。そこせいで自分は、ますます、裸になっていないか。社会の中の私は、私が産み落とした社会にある。そうは言えないか。仲間は棺の中で眠っていて、私はそこに向かっているのか。

秋晴れの一日だった。思い出すことは決まっている。小学校の六年。思えばあれが、苦い人生の序章だったのかもしれない。もう一度、やり直すなら、あの頃からかもしれない。

爽やかな気候になり、明日に向かうことも、ゆっくりと考えられそうで、この晴れ間の香りをしみこませれば、長きにわたって、明日を包むように、優しくなれるんじゃないでしょうか。見渡せば、寂しく眠る人々には、ささくれた棘が刺さったままで、秋の夢で、ひとつひとつ、抜き取れたらいいのに。

誕生日は誰にでもある。誰にでもある誕生日をお祝いしているのは、実はそんなに多くはないんじゃないかと思った。奇跡はそこらじゅうにある。そこらじゅうにある奇跡の一つに、おめでとうって言う。

書くことは、心の秘密を見つめることかもしれない。だけど、まだ書けないでいる。霧のようにつかめないわけでもなかろうに。おまえを麻薬と言い、杖と言うことは、心の秘密の入り口になると思う。

嘘をついて、わかったことは、嘘をつくなら、死ぬときの後悔になるってこと。これからは後悔したくない。なるべくなら、ありのままでいよう。

なんて面白いんだろう。ブランコに乗ったら、高みのときだけ見える月を見た。ときどき見えるから、今度もあるかな、今度もあるかなと。みんないた頃は、みんないなくなるとは思わなかった。今度も会えるかなと、そう思っていればよかった。

出かけるときに、帰れるかどうかわからないことがあった。そう感じているのは自分だけで、そう感じているとは言えなかった。帰ったら、何をしようかと、それだけ言った。知らなくてもいいことがある。そういうことの方が、社会には多い。

親子でも、恋人でもないから、それ以上のことは何もできないけど、穏やかな暮らしができるようにと、願わずにはいられない。ずっと、悩みを抱えたままで、真っ直ぐな想いを持ち過ぎないでほしい。折れそうに感じるから。

遥か、彼方へ行ったおまえには、気になることがある。しっかり者になるな。一人だけがしっかりしたときには、他の者は、どうしょうなくなる、おまえなら、きっと、わかってくれるだろう。