-ルーン文字- 小説家になろう 更新情報検索 - 新着順 -
『小説家になろう』サイトの更新情報を検索します
検索結果:9 件
1
作:木野 八鉢(きの やはち)
ハイファンタジー
連載
N9799JG
湖の見えるベンチにイーダは座る。王宮に戻る前に、食べそこねたお昼をすますことにしたからだ。
1品目は肉の燻製をはさんだパン。口に含むと麦穂と牛肉が燃えてだいなしになったのを知る。ボリボリというパンにあるまじき食感が、午後に必要な気力を遠ざけて……。生産者たちの嘆きの声が、料理人の無遠慮な笑い声にかき消されていった。
「食べられるタイプの廃墟、かな」
魔王のまねをして、皮肉をひとつ。
2品目はマッシュポテト。ビーツと小さく切られた人参の葉が相席していてかわいい。
でも、食感は「ベチャ」だし、妙に硬いビーツが顎に入れる力加減を迷わせる。全体的に無味。「素材の味を生かした」という苦しまぎれのほめ言葉すら使う余地がないくらいに。
「……共同墓地」
紙につつまれた3品目を手に取る。小さく黒いグミのようなもの。日本で食べていたものよりも硬く、色も相まって強者感がすごい。舌の上に置くと広がる、独特な味。ダイオウイカの浮袋、古い時代の咳止め。自分の故郷では工業製品にも使われた、つまり塩化アンモニウム。
――これは食べ物じゃない。これは食べ物じゃない。食べても害のない、食べられるよう配慮された、食べ物以外のなにかだ。
なんとか飲みこみ魔界の食事に肩を落とす。腰にぶら下げた皮水筒に手をのばすと、横にならぶのは戦利品の入った袋。
開けて中を見る。暗い井戸のような袋の底から、いくつか指の欠けた右手が、こちらに手のひらをむけていた。
むやみに力を振りかざし、神様を馬鹿にし、この世界を踏みにじった『勇者』の体の一部。適切に保存されたそれから、新鮮な血の匂いが香る。
「あなたみたいな勇者がいるから、本物の勇者が迷惑するんだよ?」
怨嗟を吐く右手をイーダは笑顔で見下ろした。魔王たちが同じことをしたら、口の中へ他人の不幸でできた蜜の味が広がっただろう。
今自分はそうじゃない。けれど魔界の魔女として、ふさわしい言葉は知っている。
そう思った彼女は今日一番美味しいだろうそれに声をかけてあげた。
「ごちそうさま」と。
【作者より】
興味を持っていただき、ありがとうございます。
本作はローファンタジー風味のアンチヒーローものです。
第4回HJ小説大賞後期・2次選考突破作品
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 22:20:00
141603文字
会話率:37%
IN:0pt OUT:5pt
総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt
作:半分のリング
ハイファンタジー
短編
N0569JD
タイトルどおりの割としょーもない話。主人公の頭はおかしいです。
最終更新:2024-06-07 18:14:21
2142文字
会話率:55%
IN:0pt OUT:7pt
総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt
※※※ 注意:1992年の作品です ※※※
勇者を夢見る青年ジェロム。熟練の冒険者となって帰郷した幼なじみカレンとの再会も束の間、数年ぶりの勝負に圧倒的な惨敗を喫してしまう。
一念発起したジェロムはカレンの背中を追い修業の旅へ出る。魔物退治をしながら諸国を巡る最中、浮かび上がる不穏な影『六魔導』の暗躍。
弱虫王子と従者、王女と護衛戦士、あやしい詩人、果ては海賊まで――正義の下に集った仲間たちと、勇者ジェロムは内なる光を胸に闇の軍勢に立ち向かう。
© 2023 真野魚尾
(執筆期間:1992/3?~5/20)
※本作は「カクヨム」様にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-29 14:56:07
66164文字
会話率:55%
IN:0pt OUT:25pt
総合ポイント:2pt 評価ポイント:2pt
母が事故で亡くなり、叔父に引き取られた少年――楠木(くすのき)一心(いっしん)。
彼は母が運転する車の事故で生き残ったものの、後遺症で下半身不随となり、車椅子の生活を強いられている。
これまでろくに学校も行くこともなく、母から育児放棄を受けていた一心ではあったが、アルコール依存症の叔父の家でも虐待される日々を過ごしていた。
いつもと同じように一心が叔父から殴られていると、当然部屋にフードを深く被ったトレーニングウェア姿の少女が現れ、青い炎を放ち、叔父を一瞬で焼き尽くす。
突然現れた青い炎を操る少女の名はトゥルー。
一心を叔父の手から救った彼女はなんの前置きもなく話を始めた。
あなたは過越の祭(パスオーヴァー)のメンバーに選ばれたと。
何が起きているのか、トゥルーが何者かもわからぬまま、一心は彼女の後について行った。
それは、トゥルーが叔父を殺したときに、彼女になら何をされてもいいと思えたからだった。
一心が連れて行かれた部屋には、喋る白いキツネがいた。
白く小さなキツネの名はホロと呼ばれ、その正体は悪魔だと言う。
それからトゥルーから説明を受け、過越の祭(パスオーヴァー)のメンバーになった人間は、ルーン文字が刻まれた水晶を体に埋め込み、悪魔の力を得られることを知る。
その内容は、身体能力向上と、その者だけが持つ特別な魔法が一つ使えるようになるというものだった。
魔道具を埋め込まれた人間は“絶縁者(アイソレーター)”と呼ばれる。
一心はトゥルーの誘いを受けて悪魔の力を得ると、彼女たちが戦っている相手――対魔組織ディヴィジョンズからとある魔導具を奪う作戦に参加することになった――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-02 20:14:16
123547文字
会話率:33%
IN:0pt OUT:25pt
総合ポイント:12pt 評価ポイント:10pt
念願叶って魔法あり幻獣ありの異世界へ転生し、冒険者となった主人公・リタ。旅の途中で槍使いマリンと盾持ちクリスを仲間にするも、3人ともチート能力はおろか普通の魔法も使えず、冒険者ランクは底辺のDD。一発逆転を賭けて魔剣“スルタロギ”を探して旅をするうち、クリスは即死魔法を、マリンは再転生魔法を習得するのだった。――あれ、主人公は?
最終更新:2019-06-28 18:00:00
34710文字
会話率:47%
IN:0pt OUT:17pt
総合ポイント:13pt 評価ポイント:7pt
誰が何の目的で作ったのか不明とされるルーン文字。
分かっているのは人体に刻むことで魔法が使えるようになるという事だけ。
魔法を自分の欲望の為にしか使わない者達を外道と呼ぶ。
対して、その外道を討伐する為に力を振るう者達を聖騎士と呼んだ。
一日一魔法しか使えない聖騎士エナ。
彼女に変態的な求愛行動を示すネコミミ少女の外道フィリア。
二人の運命が交差したとき、世界の運命が動き出していた……とは誰にも思えない、
ラブにも満たない、異世界求愛コメディ。
最終更新:2018-09-03 08:08:49
61235文字
会話率:52%
IN:0pt OUT:37pt
総合ポイント:52pt 評価ポイント:10pt
俺TUEEEしながら、幼女を保護しつつ、『異世界自体』の序列を上げていき、強制フラグの終末予言を撃ち砕いた愛と生贄の物語──。
主人公は、適当に投げられたダーツがブッ刺さり、異世界へと強制転移させられる。
そこで出会ったチョロい幼女神を上手く誘導し、カンスト突破ステを得た。
だが、調子に乗りすぎて異世界を滅ぼしてしまう。
さすがに罪悪感がやべぇ、という所で空気を読まず強制リセットする幼女神。
そのせいで、全異世界の最下位──序列359605位となってしまう。
そんな幼女神
を見捨てきれず、地球へ連れ帰って、一緒に異世界管理していく事に。
ユルく好き勝手やって、名所や特産品作成、他異世界からの敵を撃退して序列が急上昇していく。
「でも、料理と女の子のためには本気出す!」
……生贄、巨人の王、神槍、神々の黄昏、神殺し、北欧神話要素が入っています。
※カクヨムでも連載。
元はジャンルコメディだったため、二章中盤までは現在のファンタジーに合う合わないが大きいと思います。
何卒、ご容赦下さいますよう御願い致します。
残酷な表現ありは、終盤の保険程度。
※2016/03/24 日間総合113位。
※2016/03/29 週間総合255位。皆様のおかげです!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-22 17:35:23
512742文字
会話率:35%
IN:0pt OUT:9pt
総合ポイント:1722pt 評価ポイント:252pt
魔術師オーディンはルーン文字の秘密を得る為に、ユグドラシルの木で首を吊り、グングニルの槍に突き刺さし、自らの命を最高神オーディンに捧げたという。(北欧神話)
中学生のボクは、兄に貰ったゲーム機で人気の多人数参加型オンラインゲームをプレイしていた。それは2足歩行戦闘兵器を操作した対戦バトル物。いわゆる近未来ロボットバトルウォーズを疑似的に体感できるシューテイング・アクションゲーム。クラスメイトの勧めで徐々にプレイにのめり込んていくのだが。。。それが思わぬ事件へと発展するのだっ
た。
それは兄の名誉を掛けたボクらの小さな戦いだった。
旧題)エンド・オブ・ライフ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-19 00:00:00
90408文字
会話率:11%
IN:0pt OUT:64pt
総合ポイント:14pt 評価ポイント:10pt
2168年、未曾有の大災害、巨大隕石の飛来より15年。世界には、ルーン能力と呼ばれる異能が溢れていた。
能力を得た人や動物によって、まるで異世界のように混沌とした世界が、人の手により秩序を取り戻してからしばらく経ち―――安定し始めたその場所で、一人の青年が己の道を歩き始める。
彼の名は、氷室涼二。死の世界の名を二つ名として持つ、最高位の能力者だった。
最終更新:2012-02-05 00:00:00
484336文字
会話率:33%
IN:0pt OUT:67pt
総合ポイント:5008pt 評価ポイント:1858pt
検索結果:9 件
1