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『小説家になろう』サイトの更新情報を検索します
検索結果:956 件
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作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N9086JC
 駅を出てしばらく歩くと、いくつか人の姿を見かけたので、おれはほっとした。  駅と言っても無人駅。ここはド田舎で、おれの故郷だ。しばらく顔を見せずにいたから、寂しがっているのだろう、ここで一人で暮らしている母に電話で帰ってくるよう言われ、おれは仕方なくやって来たのだ。  ほっとしたと言うのは、畑に刺さる不気味な案山子ではなく、ちゃんとした人間に出会えたからというわけではない。その老人たちがおれに向ける目がこう言っているのだ。『よそ者が来た』と。  おれは故郷が嫌いだ。ここには>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-14 11:00:005921文字会話率:62% IN:0pt OUT:3pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:黒銘菓
ハイファンタジー
連載
N0004FO
 とある滝にて終焉を迎えた最恐の犯罪者。『ジェームズ=モリアーティー』  彼は気付くと、記憶喪失で異世界の美人令嬢の憑依霊として転移?していた。  しかし、憑依した令嬢は寄宿舎でいじめられ、今にも自殺をしようとしていた。  彼は彼女の自殺を止めて思わず口にする。「君の問題を解決してあげよう。」と。  記憶は無いが、頭脳は変らない。彼は、その明晰な頭脳を鹿撃ち帽の探偵無き世界でたった一人の女の子の為に存分に振るう。  虐められたら心を粉砕する。やられたら惨たらしくやり返す。  >>続きをよむ
キーワード:R15残酷な描写あり異世界転生異世界転移悪役令嬢ミステリー邪悪ラスボス完全犯罪ざまぁいじめキネノベ大賞2悪役黒幕チートネット小説大賞九感想
最終更新:2024-06-14 07:10:001483509文字会話率:23% IN:0pt OUT:30pt 総合ポイント:5797pt 評価ポイント:2161pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N7971JC
 ……おっと、また地震だ。しかし、慌てふためくことはない。さすが地震大国と言われるだけあって、免疫がある。もう―― 「もう嫌!」  もう、家族全員が地震に慣れていると思っていたが、妻は違うようだ。いや、慣れたからこそ、嫌気が差したのだ。おれはテーブルの上を見渡し、息子の皿の上が空になっていることを確認すると、息子に部屋に行くように目で合図した。 「嫌! 嫌! 嫌あああ!」  また始まった。息子は状況を察したようで、そっと椅子から降りた。無言でリビングを去る息子の背中に>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-13 11:00:003323文字会話率:40% IN:0pt OUT:1pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
空想科学[SF]
連載
N5564HS
ショートショート・短編・掌編。古いものをこちらにまとめました。 ジャンル・長さは色々です。 奇妙だったり不穏だったり理不尽、王道、くだらない、など。オチは用意しているつもりです。 お読み頂きありがとうございます。
キーワード:ショートショート短編
最終更新:2024-06-12 17:00:001236085文字会話率:29% IN:0pt OUT:35pt 総合ポイント:126pt 評価ポイント:88pt

作:雉白書屋
コメディー
短編
N5870JD
「ただいまー!」  明るい声が家の中に響く。軽快な足音を立て、階段を上った彼女は、自分の部屋に入り、ドアを閉めた。そして、ベッドに腰かけ、鞄の中から一冊の本を取り出した。顔に近づけ、すーっと匂いを嗅ぐ。それから、彼女は大きく息を吐いた。   「新品の匂い……最高」 「だよね」 「えっ!」  と、彼女は危うく本を手から落としそうになり、わたわたと持ち直した。そして、少しの静寂。一応の落ち着きを取り戻した彼女は問いかける。
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最終更新:2024-06-12 16:16:341835文字会話率:84% IN:0pt OUT:1pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
コメディー
連載
N6980JC
「ただいまー!」  明るい声が家の中に響く。軽快な足音を立て、階段を上った彼女は、自分の部屋に入り、ドアを閉めた。そして、ベッドに腰かけ、鞄の中から一冊の本を取り出した。顔に近づけ、すーっと匂いを嗅ぐ。それから、彼女は大きく息を吐いた。   「新品の匂い……最高」 「だよね」 「えっ!」  と、彼女は危うく本を手から落としそうになり、わたわたと持ち直した。そして、少しの静寂。一応の落ち着きを取り戻した彼女は問いかける。 「……あの、今喋ったよね?」 「うん、そうだ>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-12 15:00:001835文字会話率:84% IN:0pt OUT:2pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N6975JC
 とあるアパート。そこに住む友人に誘われ、男はやってきたのだが……。 「おお、いらっしゃい。よく来てくれたなぁ」 「おーっす。おーっす。久々に来たから道を一本間違えたわ」 「ああ、迎えに行けばよかったなぁ」 「いいよ、いいよ、気持ち悪い。ほら、ビール買ってきたから冷やしておいて」 「おお、サンキュ! はははは! ほら、冷えたやつがあるから飲めよ。はははは!」 「おう、ありがと。ふっー、にしても、もうテンション高いなぁ」 「そりゃ、もう待ちに待ったからなぁ」 「>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-12 11:00:002426文字会話率:99% IN:0pt OUT:3pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
その他
短編
N5852JC
 遠い昔、銀河系にて……  銀河帝国の圧政に立ち向かうべく、結成された反乱軍であったが、戦況は反乱軍側が劣勢を極めていた。  帝国の軍隊はこの銀河において、屈指の強靭な肉体を持つ種族で構成されており、一人で反乱軍の兵士三人分の戦力に相当する。彼ら反乱軍を待っていたのは一方的な蹂躙であった。  だが、反乱軍は多大な犠牲を払い、帝国が研究中の究極兵器の試作品を奪取することに成功した。しかし今、帝国の戦艦が逃走中の反乱軍の宇宙船を捉え、続々と兵士を送り込み、反乱軍の指導者であるル>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-11 21:10:001287文字会話率:75% IN:0pt OUT:3pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
コメディー
短編
N5838JC
「な~あみっ! ……このたびは、まことにご愁傷さまでございます。皆様の慈しみの心のおかげで故人にとって、素晴らしい旅立ちとなりました。では」 「えっ、あの、ちょっと」  とある葬儀場。身内だけのささやかな葬儀。故人の息子であり、喪主を務める長男は母や弟、親戚一同に視線で促され、帰ろうとするその坊主を引き留めた。 「……なんでございましょうか」 「いや、あの、短くないですか?」 「はい?」 「いやその、お経が……」
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最終更新:2024-06-11 11:00:002525文字会話率:99% IN:0pt OUT:3pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ローファンタジー
短編
N4656JC
 少数派、マイノリティの声がより響くようになった世の中。生きる自由に死ぬ自由、どんな人間であっても、その人権は尊重されるべき。死ぬ権利もまた尊重。そうして、世界の多くの国々で安楽死が認められることとなった。   『ようこそお越しくださいました。あなたにとって、良い旅立ちとなりますように』  安楽死施設、ユーサネイジア・センターに青年は足を踏み入れた。  どこからか流れてきた自動音声に出迎えられ、青年はそのスピーカーがあるであろう方向へ顔を向けた。しかし、見つけることができず>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-10 11:00:005855文字会話率:40% IN:0pt OUT:1pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
その他
短編
N3483JC
 その男は薄暗い部屋で、ただぼんやりとしていた。彼はもう何度目だろうか、ため息をついた後、ハッと気づいたように辺りを見回した。いつの間にか夕暮れ時になっていた。レースのカーテンの向こうから外灯と赤みを帯びた光が差し込んでいる。  部屋の電気をつけた彼は時計を見た。時間を無駄にした……とは思わない。時間ならある。あったんだ。なのに、俺は……。と、彼はまた、ため息をついた。 『あ、よう。なあ、ちょっと話したいことがあってさ……その、打ち明けたいことが――』 『おいおい、こんな>>続きをよむ
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-06-09 16:00:002911文字会話率:63% IN:0pt OUT:6pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
コメディー
短編
N3476JC
「総理! 今週発売された週刊プライムに、総理の裏金問題が掲載されてますが、ええ、とそれに他にも疑惑が、これはどういうことなのか説明してくださいよ!」  国会議事堂内、その予算委員会にて、太陽さんさん党の党首、山田一郎はそう声を荒げた。  しわがれ声の委員長が総理の名を呼び、総理は席を立ち、マイクの前に移動した。 「えー、週刊誌の記事に対する私のコメントは控えたいと思います」
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-06-09 11:00:002354文字会話率:60% IN:0pt OUT:3pt 総合ポイント:20pt 評価ポイント:20pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N2383JC
佐野:「……なあ」 山田:「うん?」 二階堂:「なに?」 佐野:「こういうのなんて言ったっけ」 山田:「あん?」 二階堂:「こういうの?」 佐野:「今の状況みたいなことをさ。ほら、心理学的なやつで、ナントカ効果だのなんだのあるじゃん。なんて言ったっけ」 山田:「わかるかよ。抽象的すぎるだろ」 二階堂:「あー、スノッブ効果?」
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最終更新:2024-06-08 16:00:001922文字会話率:100% IN:0pt OUT:1pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N2378JC
「あ、なあなあ」 「んー、なあに?」 「おう」 「あー」 「この間さぁ、面白いことがあってさ」 「えー、またあの話ぃ?」 「ほーう」 「はははっ!」 「俺がよく行くハンバーガー屋があるんだけどさ」 「それより聞いてよぉ。あたし、この前買い物帰りにバスに乗ったらさぁ」 「おうおう、それで?」 「ははははっ!」
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最終更新:2024-06-08 11:00:001272文字会話率:100% IN:0pt OUT:1pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N1418JC
「荷物はすべてこちらで管理させていただきまーす。ポケットの中身も、この机の上に全部出してくださーい」 「え、はい……」  少し妙だなと思ったが、「はい」とつい答えてしまったからには仕方がない。マニュアルがあるのだろう。非常事態だ。素直に従った方がいい。そう考えたおれは、折り畳み式の長机の上にポケットの中身を並べた。  それにしてもすごい地震だった。こういった災害時には中学校の体育館が避難所になることを知っていたから、荷物を纏めてやってきたが、よかった。おれだけでなく、みん>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-07 11:00:006307文字会話率:68% IN:0pt OUT:2pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N0441JC
 おれは幼い頃、クラスが二つしかないような、田舎の小学校に通っていた。  よく一緒にいた連中も学年がバラバラで、外から見れば仲良くしているように映ったかもしれないが、実のところは違って、そこには明確な上下関係が存在していた。中でも一番年上で体が大きな男子は言わばリーダーのポジションであった。 「止まんなよ、シンタイ!」 「ちげーよ! あーいうのは、ちてきしょーがいしゃって言うんだよ」 「どっちでもいいよ。おい、早く歩けよ」    言葉の意味をよく理解せずに使う年頃だった。い>>続きをよむ
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-06-06 16:00:001984文字会話率:42% IN:0pt OUT:5pt 総合ポイント:6pt 評価ポイント:6pt

作:雉白書屋
その他
短編
N0434JC
 盛者必衰。とうとう訪れた滅亡の時。高台に集まった宗教家たちが祈りを捧げる。 「……イエスさまの御名によって祈ります……アーメン」 「ぷっ」  と、おれはつい笑ってしまった。不愉快そうに顔を歪め、おれを睨むのはキリスト教の者。おれは、ふんと鼻を鳴らしてやった。この程度で怒るようでは修業が足らないぞ。それに、仕方ないじゃないか。お前たちは、あまりにも古いのだから。
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最終更新:2024-06-06 11:00:001331文字会話率:43% IN:0pt OUT:2pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N9407JB
「ふっー……」 「お、来たな。うーっす、お疲れー」 「おいっすー」 「おー、お疲れー……」 「あー、もうねみぃや」 「だなー、体も凝り固まったし、しんどいや。じゃ、交代よろしくー」 「おお……」 「あ、そうだ、この話してなかった。この前さぁ」 「ああ、あの話の続き? 聞かせてよ」 「……なあ、待ってくれよ」 「ん?」 「どうしたの?」 「今日が何の日か知ってるか?」
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最終更新:2024-06-05 15:00:001699文字会話率:96% IN:0pt OUT:1pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
その他
短編
N9403JB
 とある孤島。砂浜に座るその男は夜空を仰ぎながら、ため息をついた。  男は機器の故障により、この島に不時着した。命は助かったものの、この先どうすればいいのだろうか。通信手段がなく、助かる見込みはないと言っていいだろう。膝を抱えて星空を眺めていると、頭に浮かぶのはそのことばかりだった。  魚や甲殻類を捕り、耐え忍んではいるが、原始的な生活は肌に合わないようで、彼はよく体をボリボリと掻いた。喉まで痒くなり、彼は「アアアアァァァ!」と叫んだ。しかし、その声は誰にも届かない。月はただ>>続きをよむ
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-06-05 11:00:001428文字会話率:42% IN:0pt OUT:7pt 総合ポイント:6pt 評価ポイント:6pt

作:雉白書屋
空想科学[SF]
短編
N8366JB
「……フッ。未来……か」  その男は自宅の地下にあるシアタールームのソファーに座り、そう独りごちた。  彼が今見終えたのは古い映画。製作された年代から数百年先の未来を舞台にしたSF物だった。そして、彼がいる現代こそがその映画が描いた未来だ。  過去と未来は連続している。昔の人々が映画で描いた未来の光景は一部当たっていて、感心もした。しかし、その映像技術や面白さは現代の映画と比べると見劣りし、一部のインテリぶった愛好家以外、昔の映画は今ではほとんど注目されない。しかし、彼はこ>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-04 11:00:003170文字会話率:41% IN:0pt OUT:4pt 総合ポイント:8pt 評価ポイント:8pt

作:雉白書屋
その他
短編
N7371JB
「ほら、そこ! もたもたするな! 走れ! 尻に撃ちこまれたいか!」  疲れた……疲れた……そうだ、おれは疲れたんだ……死にたい……そのためにここに来たはずなのに……どうして、おれはただひたすらに電気柵で囲まれた敷地内を走り回されているんだ。 「やる気がないのか! 走れ!」  馬鹿か。当たり前だろうが。ここには生きる気力がない連中が集まっているんだぞ……などと言えるはずもない。口答えすれば、体にテーザー銃を撃ち込まれる。 「走れ!」  ――はい!  ――はい!  ――>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-03 11:00:004549文字会話率:43% IN:0pt OUT:11pt 総合ポイント:18pt 評価ポイント:16pt

作:雉白書屋
コメディー
短編
N6210JB
 夜、とあるアパート。三人の男たちが集まり、楽しく酒を飲んでいた。 「くぅ、くぅ、くぅ~! くぅ、三連ぱ、くぅ~!」 「はははっ!」 「ふふっ、はしゃぎすぎだよ」 「だって久々の飲み会だからなぁ! 盛り上がらないでどうすんだよ!」 「ははは、まあ、宅飲みだけどな」 「にしても顔真っ赤だね。熱でもあるんじゃない? 体温計借りたら?」 「ないないってフォオオオウ!」 「はははっ、でさー、ほら、あの子のこと覚えてる? 高校のときの」 「え、高校のというと、お前が好きだったあの>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-02 15:00:002411文字会話率:100% IN:0pt OUT:9pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
コメディー
短編
N6206JB
 とある家。帰宅した男がリビングに入ったその瞬間、室内に電話が鳴り響いた。  男はビクッとして背筋が伸びあがった。そして、おそるおそる受話器を手に取る。 「もしもし……」 『……おたくの子供は預かった』 「え……」 『無事に返してほしければ600万円を用意し、こちらが指定した場所に置くんだ。もちろん警察には言うな』 「あ、あの」 『なんだ』 「その、ちょっと確認してきてもいいですか? 今、部屋で寝てるはずなんですけど……」 『……まあ、いいだろう。だが、そんな>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-02 11:00:002121文字会話率:95% IN:0pt OUT:5pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N5297JB
「おい、おい、どうした?」 「え?」 「なにボーッとしてんだよ。頼んでたものは? ほら、早く出して」 「えっと……」 「やってねーのかよ。はぁ……マジなんなんだよ。眠くなるなら昼飯なんて食うなよな、はーぁ」  先輩はそう言うと舌打ちをして離れていった。眠く……なっていたのか。確かにボーッとしていた。寝起きのような感じだ。おれは寝ていたのか? 『ひどいですねぇ。あの言い方はないと思いますよ』  背後から声がし、おれは驚いた。後ろを振り返ると、そこには白衣を着た男が>>続きをよむ
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最終更新:2024-06-01 11:00:004144文字会話率:50% IN:0pt OUT:4pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
宇宙[SF]
短編
N4262JB
 ――ビビーッ! ビー! ビー! 「え、あれ、おかしいなぁ、あはは、すみません、ちょっと行ってきますね……」  朝。改札機に通行証をかざしたのだが、エラーが出てしまい、おれは後ろに並ぶ人に軽く頭を下げて列から離れた。守衛のもとに向かい、声をかける。   「あ、あの」 「はい? なに?」 「あ、改札機が不調みたいで通れなくて……あそこのですけど」 「え? 問題なく使えているみたいですけど」 「え、あれ、本当だ……あ、ははは……」 「はぁ……。ああ、そういえばさっき>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-31 11:00:005322文字会話率:60% IN:0pt OUT:11pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:紅頭マムシ
コメディー
連載
N7263GL
ちょっと変からとっても変まで、知らないだけで世の中には変な人が溢れている。
キーワード:日常青春ミステリーサスペンス探偵小説怪談ラブコメ近未来天災
最終更新:2024-05-30 23:02:53166581文字会話率:43% IN:0pt OUT:72pt 総合ポイント:14pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
純文学
短編
N3344JB
 ある雪の夜、白く染め上げられた大地に一本の灰色の道路が線を引いていて、その上を一台の車が走っていた。周囲には民家もなく、窓の向こうには、ただ闇の中に佇む木々が雪を被り、無言で彼らを見送っている。その雪景色を助手席で眺める女のため息がガラスを僅かに曇らせた。 「……ねえ、なんでいつもの車じゃないの?」 「ああ、ちょっと修理に出していてさ。前にも言ったと思うけど」 「だから、こんな地味な車でなくてもいいじゃない」 「まあ、いいじゃないか。どうせ暗いしさ。ははははっ」
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-05-30 16:00:002975文字会話率:27% IN:0pt OUT:5pt 総合ポイント:26pt 評価ポイント:26pt

作:雉白書屋
宇宙[SF]
短編
N3339JB
『ね、ね、ほ、本当にその、僕と結婚してくれるんだよね?』 『もっちろん! ……でもぉ。そのためにはぁ。まずあたしの身の回りのコトをちゃんとしないとさーぁ……ごめんねぇ、いつも頼りにしちゃって……でも、あたしさ、他に頼る人がいなくて、親とも関係がちょっと……』 『う、うん、ううん! 男だからね! 女の子を守るのは当然だよ! いつでも話聞くからさ! あ、はい、これ! この前言っていた金額きっちりあるよ! 役立てて!』 『ありがとう! あーあ、はやく一緒になれたらいいのになぁ>>続きをよむ
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-05-30 11:00:001021文字会話率:65% IN:0pt OUT:7pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N2191JB
「どうですか、お調子のほどは」 「いや、どうもなにも、変な感じですよ……決まってるでしょ」  ――男が妊娠するなんて。  男が妊娠する。それを初めて耳にした時、イカれた世の中だと思った。  だが、おれもまた正気ではないのだろう。今、おれの腹の中には赤ちゃんがいる。科学技術の進歩の賜物というやつだ。それと少子高齢化と未婚率の上昇が原因か。この世に生まれる男女の数には元々偏りがあるらしいが、それを抜きにしても結婚できない男が溢れ、またキャリアが大事だの自分が大事だのを理由に>>続きをよむ
キーワード:
最終更新:2024-05-29 11:00:006021文字会話率:56% IN:0pt OUT:8pt 総合ポイント:66pt 評価ポイント:66pt

作:白と黒のギア
現実世界[恋愛]
連載
N2020IQ
 自作の創作「グラフェンマン」「グラフェンマン2」の外伝です。    主人公は、悪の秘密結社のビール・ゲッツの娘、ブレンダ・ゲッツ。 ブレンダは、人間拡張(ボディシェアリング)技術の開発者で、 恋人グラフェンマンことリュウホウ・グリーンリバーとのラブコメディ。  本編「グラフェンマン」とは多少つじつまはあってないかも、 しれませんが、そこは外伝によくあるコメディということで許してください。  ちなみに人間拡張とは、遠隔で人間を操作したり、感覚を共有する 事ができるという実>>続きをよむ
キーワード:悪役令嬢SDGsムーンショット目標酸化グラフェンワクチン危険人間拡張ボディシェアリンググラフェンマン外伝
最終更新:2024-05-28 17:39:195282文字会話率:42% IN:0pt OUT:23pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ホラー
短編
N1252JB
 まるで穴に落ちたかのように内臓が縮み、次いで悪寒が走った。  夜、ほろ酔い気分で歩いていたおれだったが、左右挟まれたまるで渓谷のようなその威圧感に急に酔いが醒めたのだ。    ――しまった。ここは団地の中だ。    ぶるっと身震いしたのは、そのことにようやく気づいたからだけではない。背後から話し声が聞こえたことで、最悪の結末まで一瞬にして想像してしまったからだ。  おれは後ろを振り返った。三人の、おそらく男たち。会話し、笑ってはいるが、その目は確実におれの姿を捉えているはず>>続きをよむ
キーワード:
最終更新:2024-05-28 11:00:004472文字会話率:33% IN:0pt OUT:9pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
コメディー
短編
N9975JA
「あの」「あの」 「あ、どうぞ」 「ううん、そちらが先に」 「いや、そんな、そっちがどうぞ」 「うん……」 「あのさ」「あの」 「あ、ごめん『ううん』って聞こえて、僕が先かなと思って」 「ああ、こっちこそごめんなさい」 「……」 「……」
キーワード:
最終更新:2024-05-27 15:00:00624文字会話率:99% IN:0pt OUT:6pt 総合ポイント:6pt 評価ポイント:6pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N9973JA
「お、お、おぉああぁ……」  おれはそのくぐもった声を聞き、一瞬、不思議な感覚に襲われた。母のおなかの中にいて、外の会話を聞いているような。だがそれは今、おれは暗闇の中にいて、身動きが取れないからだろう。ああ、それを言ったら冗談として笑ってもらえるだろうか。無理だろうな。泣き崩れる母と妻を宥める医者と看護師の声が聞こえる。 「あ、あなたぁぁ、こんな、こんなぁ……」  ひどい姿になっちゃって、か? でも見えないんだ。おれには何も。真っ暗なんだ。意識を取り戻してから二日、い>>続きをよむ
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-05-27 11:00:002774文字会話率:6% IN:0pt OUT:13pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
純文学
短編
N8782JA
「あなたが不老不死というのは……その、本当なのでしょうか?」 「……ああ」  男の質問に彼は重々しく答えた。  不老不死。それは珍しいことではない。もっとも、そう騙るほら吹き男の存在は、の話だが。不老不死の研究が進められている現代にはそうやって注目を集めたがる者が多いのだ。  男は駆け出しの記者。前述のとおり、不老不死の研究が進められている今、自分がそれだと騙る者を面白おかしく取り上げようというのだ。ただの便乗記事であり、こんなものが大衆の興味を引くとは思えないが……と、>>続きをよむ
キーワード:
最終更新:2024-05-26 11:00:003608文字会話率:7% IN:0pt OUT:12pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
ローファンタジー
短編
N7799JA
『速報です』  とある定食屋。女性アナウンサーの声に男は箸を止め、棚の上にあるテレビを見上げた。 『この度、我々が非常に慣れ親しんだお話、【桃太郎】の改訂が決まりました』  なんだそんなことか、と男は目の前の皿に視線を戻した。最近、そういった流れがあることは知っていたのだ。今さら驚くことなど何もない。
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最終更新:2024-05-25 17:00:00921文字会話率:44% IN:0pt OUT:5pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
コメディー
短編
N7796JA
 ある夜。彼は息を荒げ、ふと自分の手を見つめた。震えている。手だけでなく足も、それに動悸もしている。喧嘩といった争い事に不慣れな彼はその余韻に心がまだ波立っていた。  つい先ほど、男に突然襲い掛かられた彼は混乱する中、必死に抵抗した。そして、激しい揉み合いの末に、その男を取り押さえ、縛り上げることにどうにか成功したのだ。  彼は大きく咳き込み、そして訊ねた。「どうしてだ、なんで……」  その男はこう答えた。「誰でもよかった」と……。 「……いや、嘘だろ」 「ん?」 「い>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-25 11:00:002187文字会話率:94% IN:0pt OUT:9pt 総合ポイント:12pt 評価ポイント:12pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N6748JA
 ――またか……。  その黒い金庫を前に、彼は大きく息を吐いた。気苦労半分、気合入れ半分といったところ。尤も、実際は寝息となったかもしれない。彼が今いるのは夢の中で、彼が勤める会社の社長室。そう、彼は毎晩のように金庫の夢を見ているのだ。  その理由も時期も、大よそだがわかっている。
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最終更新:2024-05-24 15:00:002890文字会話率:7% IN:0pt OUT:10pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
宇宙[SF]
短編
N6742JA
 ……っあ、ぅ、あ。 「……え? 今の、まさか」  ……ぅ。 「おお、やっぱりだ! きみ、意識が芽生えたんだね!」  ……ぅ。 「ああ、でもまだ会話はできないみたいだね。ううん、いいんだよ。大丈夫、ゆっくりで。僕は待つからさ」
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最終更新:2024-05-24 11:00:00765文字会話率:50% IN:0pt OUT:11pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N5673JA
 ある午後、おれは友人の山本と一緒に街を歩いていた。 「なあ、それで昼飯どうする? そろそろ決めよう」 「ああ、近くに寿司屋があるんだ。そこにしよう」 「え? いや、おれ金ないぞ」 「大丈夫。時価だから」 「あ、そう……いや、ダメじゃねーか。高いところだろ」
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最終更新:2024-05-23 11:00:003242文字会話率:73% IN:0pt OUT:13pt 総合ポイント:22pt 評価ポイント:22pt

作:雉白書屋
空想科学[SF]
短編
N4672JA
 やった、やったぞ、ついに買った! セックスアンドロイドを! これでおれも人生の勝者側に立ったんだ! フォオオオオオウ!  ありがたいありがたい。この時代に生まれたことに感謝。……いや、これは当然の流れかもしれない。未婚率上昇中の現代において婚活市場から取り残された生涯独身者という市場を、商売人たちが見逃すはずないのだ。むろん、介護や建設業界などで活躍したアンドロイド事業の下地があってこその今の状況だが、まあそれはいい。  生涯独身者の必需品と言っていい、このセックスアンドロ>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-22 15:00:002561文字会話率:73% IN:0pt OUT:9pt 総合ポイント:14pt 評価ポイント:14pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N4664JA
「ん、その手の動き、癖か? 前にも見たなぁ。変だからやめなさい」 「……はーい」 「って、余計にやってるじゃないか」 「あら、いいじゃないの。ねぇー」  と、彼女はおれが息子を注意すると、すぐに飛んできて話の内容もまだ分らないうちから擁護に回る。不妊治療に苦しみ悩み、ようやくできた息子だ。過保護気味になるのも無理のないことなのかもしれないが、それでは息子のためにならない気もする。やはり、直すべきところは直すべきだと思うのだが。特に子供のうちに。 「え、癖? それなら>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-22 11:00:001459文字会話率:72% IN:0pt OUT:9pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N3625JA
 ……おれは夢を見ている。何のテレビ番組かは知らないが、ひな壇のゲストとしてそこに参加している。  上下に三人ずつ分かれて椅子に座っており、おれは下段。右隣には男。左隣には、やたら化粧が濃い女。スタジオセットは黄色を基調とした造りで、司会者は左手のほうにいる。  カメラの画角には入っていないだろうが、足元すぐにモニターがある。ここにVTRなどが流れ、その感想を求められることになるのだろう。  さて、おれはどんな人物なのだろうか。俳優だろうか。前列の、それに真ん中ということは、>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-21 16:00:001894文字会話率:45% IN:0pt OUT:15pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N3620JA
「えー……ねっ、というわけで、鳩なんか出してみましたけどもね、はははっ……えー、では次行ってみましょう。あ、ショウ!」  観客のせせら笑いと囁きが会場を満たし、どこかネジが緩んだような雰囲気が広がっていた。  それもそのはず、舞台上にいるマジシャンの男は、つい数日前に週刊誌で不倫を暴露されたのだ。  とは言っても、単なる穴埋め記事で、テレビなどに出ている人気者というわけではない。最近ジワジワと売れてきていた苦労人タイプの中年の男だ。  そのマジックショーのチケットが手に入っ>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-21 11:00:001935文字会話率:19% IN:0pt OUT:11pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

作:雉白書屋
ホラー
短編
N2477JA
「なん、な、な、に、なに、な」  目覚めた彼は脳内で渦巻く思考の奔流に溺れた。思考と呼ぶには欠ける汚泥の川であり、抑えようとしても、水しぶきを上げるように言葉が断続的に漏れ出る。  彼が意識を取り戻したことに気づいた看護師が医者を呼んだ。その医者が彼に言った。 「やぁ、意識が戻ったようですね。よかった」 「よか、よか? なに、あ、あ、なに」  口がうまく回らないことに彼は恐怖を覚えた。だが、周りの様子から見てここは病院で、麻酔が効いているせいだろうと考えた。
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最終更新:2024-05-20 15:00:001352文字会話率:55% IN:0pt OUT:14pt 総合ポイント:4pt 評価ポイント:2pt

作:雉白書屋
ホラー
短編
N2476JA
 夜。サンダルを履いて、マンションの部屋から出た男は「うげっ」と思った。  廊下の電灯の光に映し出された靴跡。どうやら今、外は雨のようだ。しつこい残暑を凌ぐためにエアコンをつけ、窓を閉めていたため、雨に気がつかなかった。  男は手すりから身を乗り出し、空を見上げた。  ――降って……ないな。
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最終更新:2024-05-20 11:00:00759文字会話率:0% IN:0pt OUT:11pt 総合ポイント:22pt 評価ポイント:22pt

作:雉白書屋
その他
短編
N1433JA
「さぁー! 番組が始まりましたが……えー、まずはこんばんは」  黒い床の番組セット。壁の青い照明と喧嘩しないよう天井の照明は控えめ。椅子に座る出演者の前には下半身を覆い隠す机があり、クイズ番組を彷彿とさせるが、この番組は軽薄なバラエティではないと一目で視聴者に感じさせる。引きで番組セット全体を映した後、神妙な面持ちの司会者の顔からスタートし、彼が挨拶と軽く番組を説明し「いや、無理無理! 無理よこんな空気! 忘れてるかもしれないけど、おれ、お笑い芸人よ?」と茶化し、本題に入る>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-19 11:00:006807文字会話率:73% IN:0pt OUT:10pt 総合ポイント:20pt 評価ポイント:20pt

作:雉白書屋
ホラー
短編
N0524JA
「どぉーもぉー! ダブルマーケットです! いやいやもぉーねー、こんなにたくさんのお客さんにねぇ、集まっていただいてありがたっくて緊張しちゃってもう、帰って欲しい!」 「なんでやねん!」 「ってまあ他の芸人目当てでしょうけどねっ!」 「なんでやって! まあ単独ライブちゃうけど、ええやんええやん覚えて帰ってもろたら」 「そうですねぇ、覚えないと、こーだぞ! ってね」 「拳つくるなや! まあ、ええけど」
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最終更新:2024-05-18 15:00:002268文字会話率:100% IN:0pt OUT:15pt 総合ポイント:26pt 評価ポイント:24pt

作:雉白書屋
その他
短編
N0519JA
 ある日、ある男が精神科医のもとにやってきた。  いや、追いやられたと言うべきか。どうもたらい回しにされているらしいその男のレポートを見て、医者はううむと唸った。  男は自分が誰で、どこにいたのか何をしていたのかも覚えていなかった。つまりは記憶喪失のようだが、その原因がまったくわからないのだ。  ボロボロの服を着て、フラフラと歩いていたところを保護されたが、本人が口にした情報は「眠っていたような気がする」とだけ。拉致され薬物を打たれて、記憶以外にも財産など奪われたのでは……と>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-18 11:00:001594文字会話率:75% IN:0pt OUT:12pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ヒューマンドラマ
短編
N9277IZ
 飛び降りだ飛び降り! 飛び降り自殺だ! うん。そうに違いない。いや、絶対にそうだ。あのオンボロ団地にはうんざりしていたんだが、まさかの大事件に遭遇だ! 今朝、外出てすぐのところに警官がえーっと四人、いや、もっといたな、うん。ブルーシートで何かを囲っていたんだ。あれは飛び降り自殺に違いない。誰かな誰かな。隣の部屋のやつかな、上の部屋のやつだといいな。顔は知らんが窓を閉める音がやたらうるさいんだ。ひひっ、死んだかな。死んだんだろうな。あの警官たちの暗い顔。死体だ死体。そうに違い>>続きをよむ
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最終更新:2024-05-17 11:00:005352文字会話率:0% IN:0pt OUT:15pt 総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt

作:雉白書屋
ローファンタジー
短編
N8269IZ
 ――おっ    と、電車のドアが開いた瞬間、おれは思った。昼下がりの空いた車両内の端の席、仕切り板に体を預けていたおれは、電車の中に入ってきたそいつに向けて久しぶりだな、とニヤッとしてみる。しかし、向こうは気づいていないようだ。『あの男、ニヤついて気持ち悪いな』と他の乗客から思われた気がして、目だけを動かして周りの様子を確認した。  よかった。杞憂、被害妄想だ。春の日差しと心地良い揺れに、みんなボーっとしている。そして、結局あれも、おれの妄想なのだろうか……。  おれは小人>>続きをよむ
キーワード:ショートショート
最終更新:2024-05-16 11:00:003427文字会話率:8% IN:0pt OUT:6pt 総合ポイント:10pt 評価ポイント:10pt

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