全身に黒いあざを持つ少女メリッサは、生まれながらに醜い存在として忌まれ、城の中で召使として生きてきた。
彼女が仕えるのは、ただ一人――王メルヴェール。
入浴、着替え、夜の水汲み。
どれほど近くにいても、言葉を交わすことすら許されない関係。
王は彼女を抱かない。
それは嫌悪ではなく、ある過去と引き換えに課された約束だった。
死病に倒れ、誰からも見捨てられた幼い王を救ったのは、
「醜い化け物」と呼ばれていた少女だったのだ。
王妃の疑念、城に渦巻く悪意、
そして変わらぬ日常の中で交わされる、梨や夜食や沈黙。
これは恋ではない。
だが、互いの命を半分ずつ預け合った、王と召使の歪で静かな共生の物語。
あくまで王様と召使なので、恋愛しません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-23 07:00:00
63375文字
会話率:31%
冬童話2017の企画内で、用意して頂いたプロローグから創作した短編です。
あるところに、春・夏・秋・冬、それぞれの季節を司る女王様がおりました。
女王様たちは決められた期間、交替で塔に住むことになっています。
そうすることで、その国に
その女王様の季節が訪れるのです。
ところがある時、いつまで経っても冬が終わらなくなりました。
冬の女王様が塔に入ったままなのです。
上掲が頂いたプロローグの一部ですが、
童話という事なので心理描写を一切描かず、登場人物の行為を客観的に、歯切れよく描くことに専念しました。
プロローグ以降のあらすじ
冬の女王が、何故季節の塔から出てこないのか、この謎は序盤でわかります。
誰の助力も得ることなく、女王は自らの意思で己を戒めて、塔の外へ出る事を決意します。私はここから物語を描こうと想いました。
冬の女王には召使いが一人います。
冬の女王が塔を離れる動機。これが”責務”ではなく”望み”となるように。
召使いがあっちへ、こっちへと活躍します。
狂言回しのような言葉遣いの中で、二人の心持ちが、如何に強い信頼で繋がれているかを描写できていればと想います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-12-14 03:49:12
10870文字
会話率:38%