――文明崩壊後から誰一人として侵入したことのない軍の弾薬庫。
そこはただの弾薬庫ではない。オートメーション化された管理システムにより戦前から管理され、大量の弾薬が手つかずのまま残されているという。
文明崩壊以前に使われていた金は意味
を無くし、その役目をネジやナット等の工業部品や弾薬が担うようになって久しい廃世の人々にとってそれは宝の山であり宝物庫を意味する。
しかしそれはどこにあるかも、なぜ誰も侵入できないのかも分からず、探しに旅立って帰ってきた者もいない。
その弾薬庫の存在は人から人へ口伝で広がり、いつしか〝黄金の弾丸伝説〟と呼ばれるようになった。
一生遊んで暮らせるどころか、ヴィレッジひとつの経済を牛耳れるほどの力を手にすることが出来ると言われるその弾薬庫を欲しがらない者などいない。
そしてその弾薬庫を欲し、あらゆる手を使ってでも探し出そうと躍起になる集団も存在する。
弾薬庫を巡る人々による血を血で洗う醜い争いが起こるのは想像に難くない。
権力争いが始まろうとしていたその最中、一人の傭兵に噂の真相を確かめて欲しいという依頼が舞い込むのだった。
今、廃世最強の女が戦火に飛び込んでいく――。
※前作「廃世のストレンジ・サバイバー」を読まなくても問題なく楽しめます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-28 19:44:08
225149文字
会話率:34%