区役所で働く瀬戸志織(28)は、通勤途中、助けを求める視覚障碍者の男性を見かけ、声をかける。そういった手助けは普通の人にとってはなかなかハードルの高いことだが、志織にとっては初めてではなく、むしろ慣れたことだった。というのも、十二年前のあ
る出来事がきっかけで、普段から困っている人には手を差し伸べるようになったからだ。志織は出勤時間に遅れないよう気をつけながらも男性を案内し、過去に想いを馳せる。
十二年前、当時高校一年生だった志織は、授業の一環である二日間の職業体験で、視覚障碍を持つ小学生の先生をすることになったのだった。初めのうちは全く乗り気でなく、適当にこなしていたが、新垣すみれ(10)や指導教員の宮澤恵子(45)には見透かされてしまう。
一日目の終わりに恵子と話す中で、志織は自らの甘さを痛感するとともに、あることに気づく。若くしてこの世を去った母親と恵子が、出会っていたかもしれないということに。
職業体験二日目、前日の反省を活かし、真剣に取り組む志織。まだまだ拙いところはあるが、児童たちにその気持ちは届いたようだった。その後のすみれとの温かい交流を通して、志織はひとまず真実の追及は置いておくことにした。過去よりも、目の前の今を大切に、楽しい人生を生きる方がいいと思ったからだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-14 09:39:22
15038文字
会話率:64%
1000文字でラジオドラマ脚本になる小説を書くのがきついと知人が言うので、アマチュアがそうさくろん(笑ワラ)を書くのは痛いと知りつつ自傷行為してみた。
最終更新:2021-11-23 06:20:27
1000文字
会話率:0%
【オジギソウ脚本集 1作目】
コンセプト
⇒舞台脚本、ボイスドラマ脚本、朗読劇脚本として使用可能
⇒少人数で演じられる(多くて四人)
⇒五分~三〇分の小品
【あらすじ】
ある窓の並んだ廊下を歩いている人々。その中の一人であるAが、窓の向こ
うからBに話しかけられる。
「助けてくれ! 壁がすぐそこまで来ている!」
必死に叫ぶBにAは大変冷ややかで……
推定上演時間 一〇分折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-10 13:50:57
1603文字
会話率:84%
『冴えない彼女の育てかた』1期第2話のファミレスシーンは、会話のテクニック、セリフの妙がこれでもかと詰まった名シーン! 元テレビドラマ脚本家がその素晴らしさをわかりやすく解説します。作者はもちろん、ラブコメ好きにも楽しめる内容ですよ。
最終更新:2020-03-29 22:48:56
4952文字
会話率:61%
〝僕はもう、あのさそりのように、本当にみんなの幸のためならば
僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない──〟
自分の未来に何の理想も描けず、怠惰な日々を送っていた高校生、貞一郎。
そんな貞一郎の前に現れたのは、心臓に病を患いながらも懸命
に生きる少年、雪彦だった。
二人で見上げた流星群、語らったアポロ十一号の夢、あの時にふれた儚げなのどの尖り。
きみと過ごしたひととせを、僕たちは決して忘れない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-28 16:48:56
16878文字
会話率:98%
岡山ブンゲイリーディング 登壇予定ラジオドラマ脚本作品
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「教えて。青ってどんな色なの?」
目に光が映らない少
女キオは、俺にこんな難題を突きつけた。
俺にも見えていなかった青に、そのときようやく触れられた。
たとえ、この手がどんなに傷つくとしても、青空に向かって、両手を伸ばさなければならない。
その青い花くて、とてもとても小さい花は、俺にそう告げていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-25 21:23:58
8331文字
会話率:1%