窓から差し込む木漏れ日が、優しく自分を包み込む。
目を閉じれば、椅子に座っている事を忘れる程に心地良さを感じる。
そんな中ふと瞼を開けると、チャックの開いたカバンが目に入った。そしてチラリと見えたのは、とあるノート。
それは真新しくも見
え、使い古された様にも見える。
俺は徐に手に取り、その表紙に目を向けた。
綺麗な字で書かれた『記憶ノート』という題名。
本当に綺麗で、美しくて希望に溢れる文字は……見る度に元気を貰う。
「ついに来たぞ。そして誕生日おめでとう」
無意識に零れた言葉が、部屋の中に響いたと同時に、
コンコンコン
聞こえてきたドアのノック音。
さて、その前にもう一仕事だ。
熱心な彼女に応えて……あげないとね。
「はーい」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-27 23:20:39
131109文字
会話率:36%