「私は彼のことを心から愛しているの! 彼と婚約破棄して!」
「……はい?」
子爵令嬢である私、カトリー・ロンズデールは困惑していた。
だって、私と彼は婚約なんてしていないのだから。
「エリオット様と別れろって言っているの!」
彼女
は下品に怒鳴りながら、ポケットから出したものを私に投げてきた。
そのせいで、私は怪我をしてしまった。
いきなり彼と別れろと言われても、それは無理な相談である。
だって、彼は──。
いや、それよりも今は、傷の手当てをしよう。
彼女の行動には不満を感じたが、私が直接手を下さずとも、報いを受けるだろう。
彼女が心から愛しているという、彼の手によって……。
この作品はアルファポリスにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-26 18:22:25
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会話率:21%