これは、世界から言葉が失われ、文明が衰退し、世界が終わりに向かって行く中、世界に言葉を取り戻すという宿命を背負った二人の男女、タケシとマヤの愛と成長の物語である。幼くも互いに惹かれあっていた二人は、ある不幸な事故のために、パラレルワールド上
の別々の世界で生きなければならなくなってしまった。二人は、何とか再びめぐり逢おうと必死に互いを捜し求め、困難を乗り越える過程で、互いへの思いを育み、人間として成長していく。そして、遂には再会を果たし、二人の力で世界から失われた大切な言葉を取り戻す。
物語は、全第三部で構成される。
第一部「言葉が現れる時」は、マヤと飼い犬達のエピソードである。犬達は、不幸な事故でタケシと引き離され、天涯孤独の身にもなってしまった飼い主を、何とか救おうと奮闘する。犬達は、危険を冒してパラレルワールドを移動し、トランクルームという施設で十分に目覚めていないタケシとマヤをつなごうとする。
第二部「昼の時代 太陽の日々」は、マヤとエイジのエピソードである。エイジは、叔母の頼みで、事件に巻き込まれた可能性のあるマヤと、郊外の洋館で一緒に暮らすことになる。エイジは、彼女を愛しつつも、保護者として、別れた妻を陥れ、さらにはマヤに迫ろうとする危機に本人には知られることなく静かに立ち向かう。
第三部「確かなもの」は、タケシと「歳の離れた男」、Tのエピソードである。幼少時に、母親との関係で心に深い傷を負ったタケシは、Tから何を学んでよいかも分からずに、彼に会いに行く。そして、Tと過酷な生活を共にする中で、傷を癒し、生きて行く強さや痛みを学び、大人の男に成長する。そして、遂に言葉を現わし、世界を救う。
なお、全第三部を通じて、世界が終わりに向かって行く過程と、北欧神話で語られるラグラノク(神々の黄昏)を登場人物の心情や異常現象としてオーバーラップさせることで、時代背景や生活環境は違えど、時代を超えて共通する言葉と人の関わり(言葉に込める思いや生き様)を表現しようと意図している。
※「星空文庫」と重複投稿する予定です。
※「dNoVeLs」と重複投稿する予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-22 22:21:44
138558文字
会話率:24%
世界に起こり始めた異常現象。
それは、ボク達の世界が崩れ始めている証の様だった。
宇宙ネコのココロとボクは、世界の崩壊のこの時に生きて、何をすべきなのだろうか。
※すみません、後に全て書き直し予定です
最終更新:2010-02-10 03:16:39
13329文字
会話率:35%
彼女に起こったのは、突然の異変――体から『実』が生えてしまう異常現象だった。苦悩と絶望の末、彼女にはどんな結末が待つのか……?
最終更新:2009-06-12 23:50:16
9809文字
会話率:24%
世界からある日突然消えた四季の折り目。春の穏やかな風の中、芽吹く新たな命の光。夏のからりとした暑さ、木陰で感じるひと時の涼しさ。秋の鮮やかな彩り、豊かに実る恵み。当たり前のように世界の中を巡っていたそれらを、ある時ぴたりと感じなくなった。そ
の事に人々が疑問を抱く中、世界は新しい問題に直面する。それは何かと言うと、世界を「冬」のみが巡り始めるようになったのだ。いつまでも暗く立ち込めた雲が覆う空、そこから降り止む事の無い雪。いつ終わるともしれない異常現象。こうして世界は、長い冬の季節に閉ざされる事となる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-03-24 23:44:54
1705文字
会話率:42%