湿原をぬけた、旅人用にある休憩所で肩に晴天を思わせる色をした小さな鳥をのせ、目を閉じている少女がいた。
少女は目をゆっくりとひらくと、よくとおるソプラノボイスで、叫んだ。
「だああああ!なんなんだい!ここは!空気は重く、肌に貼りついてく
るし、嗅覚と聴覚はいらん情報ばっかりをぼくに提供してくる!こんなとこからとっととおさらばしようじゃないか!もうぼくはたえられないね!ねえ、君はどう思う!風志くん!」
少々、少々?うるさい少女の声に顔をしかめることもなく、風志と呼ばれた小さな鳥は元気に返事をした。
「うん、ボクもそう思うよ!彩お姉ちゃん、それに、もうこのかわりばえのない景色を見るのもあきちゃったし。」
その返答に満足したのか、ややわかりにくい比喩をもちい、彩は風志に嬉しさをつたえながら、どこからともなく自転車を取り出した。そして
「風志くん、ヘッドホンになってくれるかい?」
一般的には無理難題といわれるようなことを、さも当然というような顔で言った。
「わっかた!」
ちょっとおかしな返答をし、彩の言う通り、ヘッドホンへと姿を変えた。彩はそれを装着すると自転車でそこから走り去って行った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-29 17:29:43
2620文字
会話率:57%
ピアニストになる夢に挫折した佐野篤志は、日本に残した唯一の心残りであり、夢に暗い影を残した原因である男・ダーシーのもとを十数年ぶりに訪れた。
昼なお暗い館に住む美麗の青年は、記憶からそっくり飛び出してきたように立ち現れた。ピアノソナタ「月光
」とともに。
BLのつもりは無かったんですが、BL風の空気はあるかもしれないとそっちに傾けたので、一応タグ付けてあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-02 13:00:00
14528文字
会話率:40%
とある時代から続くサックスという名家は、滅びの運命を辿っていた。
三人の娘が一族の若い男を連れ去り、殺してしまう呪い。
今年に至っては男児は一人しかいない、絶望に満ちた会合の空気は、とある人物の名案によって払拭される。
そ
うだ、呪いを解けば良いのだ。
長く続いた呪いの、一端が紐解かれる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-27 15:05:34
361文字
会話率:19%
人類の文明による化石燃料の大量消費と森の消失は、大気中の二酸化炭素の増加と温暖化をもたらし、地球環境を悪化させていた。
そして、高緯度地域の氷河・氷床が消え去った時期を境に、まるでアイスコーヒーの氷が溶けてしまったかの様に、大気温度は急激に
上昇し、人類にそれを止める手段はなかった。
空気は呼吸に耐えない酸素不足の熱気となり、動物はあえぎ苦しみ、鳥たちは姿を消した。
気温上昇による気候変動と大規模な自然災害は、深刻な食料危機をもたらし、海面上昇は、多くの陸地を海中に沈め、領土領海をめぐる度重なる紛争をもたらした。民族・国家間の核戦争が頻発し、人類と環境に壊滅的な被害を与えつづけた。
大地は放射能で汚染された沼地に、空気は有害な毒気と化し、地上に生きるほとんどすべての動物の生命を継続不能にした。
それでも人間たちは暫くの間、狭くなった陸地で食糧を作り酸素タンクを背負って、飢餓と疫病の中で生き延びていた。
しかしやがて、自らの存続を諦めたかのように、地上から消え去っていった。
残された地表には、二酸化炭素の増加に対応した赤い色の植物だけが繁茂し、小さな爬虫類と、昆虫と、もっと原始的な生物だけが生き残った。
そして、地球のほとんどは灰色の海に覆われていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-29 20:13:26
1455文字
会話率:0%
朝、目が覚めると、私は見知らぬ場所にいた。周りを見渡すと、そこは美しい森の中だった。空気は新鮮で、鳥のさえずりが聞こえてくる...
最終更新:2023-03-09 18:53:08
1178文字
会話率:45%
目を覚ませば、そこは人外達の王を決める選定の場だった。
唯一の選定者として他の世界より召喚されたイヴァンレインは選択する。
「選定者である私、イヴは私自身を王に選びます」
不思議な世界で試し続けることをイヴは選んだ。
決して空気は読まな
い人間と、振り回される人外達の物語。
***
毎週月曜日更新予定です。
よろしくお願い致します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-27 15:00:00
83432文字
会話率:45%
味のしない空気は、透き通るだけである。
最終更新:2023-02-17 00:02:17
1023文字
会話率:0%
ホットケーキで絵を描くのって、難しいよね。
最終更新:2021-05-06 22:46:18
551文字
会話率:0%
――金が無いなら死んだ方が良い。それがこの世界が定めた絶対のルールだ
人体と電脳の融合《マン・マシン・インターフェイス》により人類が種の世代を一つ越えた世界。
科学の進歩のつけを払う様に汚染された世界もまた同じ様に世代を一つ越えた
のだろう。
空気は、空から降る雨は、最早ただの人では耐え切れない程に汚れていた。
そんな世界が人を拒絶した世界。
人々は積み重ねるようにして造られた積層都市でしか生きられなくなっていた。
電脳化すらされていないストリートチルドレン、コマヒコはそんな積層都市の一つ、カワセミの第四層の住人だった。
第四層。公的には存在しないとされている下層区画。
ゴミ溜めの様な街での暮らしは最悪だ。
いつだって飢えていた。
いつだって渇いていた。
でもコマヒコにはそこから抜ける手段が分からなかった。
その日、一人の達人《アデプト》に出会うまでは――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-01 22:00:00
138666文字
会話率:33%
冬の冷たい透き通った空気はとても美味しい
最終更新:2022-12-05 07:43:16
1172文字
会話率:0%
ピンクのランドセルを持っていた彼女は、クラスの憧れの的だった。しかしある日、彼女はクラスの女子と喧嘩になる。険悪な空気は悪化していき――。
最終更新:2022-12-04 17:39:41
996文字
会話率:0%
夏休みを控えたある日──ぼくの通う小学校では、全校生徒の六分の一ほどが一度に集団自殺を遂げてしまった。
きょうび自殺なんてありふれているけれど、さすがに六分の一、というのは行きすぎだった。
通称“自殺ブーム”。今この世界では、原因
不明の『自殺のパンデミック』が起きている。
夏の空気はこんなに煩わしいのに、世界は日に日に静かになっていく。
そして、“人はなぜ自殺をするのか”という、以前から抱えていたぼくの疑問が解消されることのないまま、夏休みは訪れた。
今年も、幼馴染みの牡丹と遊ぶ夏休みだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-21 02:37:28
15666文字
会話率:26%
バラエティーラジオ番組の裏番組の暴露ラジオで『バラエティーラジオMCの暴露』が行われ始め番組の空気は最悪に……
この日私は性悪家になった。
最終更新:2022-08-25 22:37:50
1047文字
会話率:64%
魔族のデモンガ・ゴッゾにはとても大切な妹、アイネ・ゴッゾがいた。
アイネは人間界攻略に出ていたが、同じ魔族のサタニアの逃げる時間稼ぎに使われ、人間の勇者に捕らえられてしまったと知らせが届く。
デモンガはサタニアを責め立てたが魔王の息子であっ
た為、サタニアの虚言によりデモンガは魔界を追放されてしまった。
人間界に追放されたデモンガだったが、唯一肉親であるアイネを助ける為に旅に出る。
デモンガにはユニークスキル【空気操作】があり、人間が日常的に吸い込んでいるものを自由自在に操作できる能力を持っていた。
人間に対して最強と言える能力だ。
だが、デモンガは人間好きな両親に育てられていた事もあり人間が好きだった。逆に魔族に対して嫌悪感を持っていた。
なぜなら、魔族の中では空気は必要ではなく、クソスキルだと笑いものにされて育ってきたからだ。
アイネを助ける旅に出たのはいいが、魔族である事がバレないようにデモンガはアモンという偽名を使って旅を続けていく。
右も左も分からない状態だったがそれから魔導士・シーフ・剣士・ドラゴン娘と様々な仲間たちと出会っていく。
アイネを助ける事がキッカケで魔王への階段を上がっていく最強の魔王の成長物語をお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-21 08:45:43
256611文字
会話率:61%
自分の倍の年齢の男と結婚させられそうになったのを機に、イサナは家を出た。
思えば実家では兄ばかり優遇され、割を食うばかりだった。行きたい学校にも行かせてもらえないし、趣味だって満足にさせてもらえない。結婚が嫌と言うよりも、なにもかもが嫌に
なっていた。
食べていくために、以前から好きだった魔術を商いはじめたところ、大当たり。ついには自分の店を持つまでになった。
ところが開店直後、街の周辺では隊商の消失事件が連続して起こる。
流通の拠点として経済を保っていた街の空気は一気に悪くなる。
その上に、なぜかイサナが消失事件の犯人ではないかと噂が流れた。
そんな中、イサナの前に魔術師が現れて事件解決の協力を求めてくる―――
劣等感を抱えながらもたくましく自分で生きていこうとする、ちょっと職人気質な女の子の話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-17 23:00:00
96011文字
会話率:47%
私マユミっていうんだけど今日は彼氏とデートなの。
彼氏の名前は竜二っていって、「シャバの空気はうめえ!」が口癖なの!
もちろんこれには理由があるんだけど……どんなデートになるか楽しみ!
最終更新:2022-03-29 17:10:51
2564文字
会話率:45%
東京オリンピックの開会式で日本の漫画やアニメは、日本を代表する文化として扱われていたし、テレビのニュースで日本のアニメキャラのコスプレをして盛り上がっている外国人を見たこともある。それなのに、なぜか教室の空気は凍りついた。
最終更新:2022-03-15 06:00:00
6449文字
会話率:5%
西暦二〇三〇年。東ヨーロッパ・バルカン半島にて核弾頭が炸裂。日本国防陸軍は、国連の要請に基づき該当地域へPKF部隊を派遣する。それは失われた世界唯一の被爆国というブランドを取り戻す為の、政治的判断による派遣。その数、僅かに六〇〇余名。
現地で日本隊に保護された少女。名はアナベル・ミハエロブナ・サハリン十四歳。少女は故郷を焼き払い両親を殺し、弟さえも殺した大人たちを憎み殺しつくす為に、自ら進んで狙撃専門のチャイルドソルジャーとなった加害者であり、戦争被害者。
だが、少女は『蛇』に取り付かれていた。取り付いた蛇を独自の見解からサタンと認識した大天使(ガブリエル)は、その事を伏せたまま合衆国大統領に対し、全人類の抹殺を宣言。
天使の介入を受けた戦場は混乱の一途を辿り、余りの理不尽さに兵士達は神に助けをこうた。その呼び掛けに、日本の九十九神が戦場に舞い降りる。
大天使は戦場での蛇の覚醒を受け、腹心の天使に少女の抹殺を指示。その際、人間側に生き残るチャンスを与えるが、それに気が付ける人間はもういなかった。
落胆した大天使は人間に語り掛け、事実上少女を殺せと命令。
恐怖の中、正常な判断力を失った大人達は、守る者、殺す者に別れ無意味な戦闘を続ける。
九十九神は米ソ全面核戦争を回避する為に、全ての力を使い果たし消滅。
自身を助けてくれた大人たちの死を目に、少女は自力で蛇を押さえ込む事に成功。それを見届けた大天使は少女と誓いを交わす。
降りしきる雨は薬莢だった。
空気は硝煙で満たされ、歩を進める毎に肌を焦がす。
先の見えぬ混乱の中、我々は進む。ただその先に、平和が有ると信じ。
守る側に回った薙雲達は、大天使より「永遠に生きる少女を守れ」と指示された。
日本が得たものは一人の少女の命、ただそれだけだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-19 21:43:14
10844文字
会話率:18%
冬の空気は綺麗で飾らないと感じまして。
最終更新:2022-02-13 19:43:16
256文字
会話率:0%
ティアドラ王国のヴァルトキア家の公爵令嬢として生まれたそんな変わった彼女、セレナリール・ヴァルトキアは生まれた瞬間に自分が転生者だと悟る。元々の性格も相まってか人を惹きつけるのは得意なようで...?実は乙女ゲームの悪役令嬢として生れ落ちてし
まった彼女はあらゆることをどう回避していくのか?!彼女の本当の目的とは...?そんな変わった彼女が繰り広げる愛がこもった物語をご堪能ください。
投稿は20時にしています。※Restartの番外編です。毎日投稿はできないかもしれません。恋愛要素少なめ注意!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-11 00:00:00
282846文字
会話率:30%
ティアドラ王国のヴァルキトア公爵家の公爵令嬢として生まれたセレナリール・ヴァルキトアはいつも周りのことを考えずにハチャメチャに動きますが、それ以外の人はどうなのでしょうか?ここでは本編ではしっかりと語られることがなかった人物たちがどんな風に
生きているのかが描かれていく予定です。※スピンオフ的なものなので気軽に読んでいただけると幸いです。こちらは不定期投稿なのでご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-08 20:00:00
5016文字
会話率:32%
汚染され濁った空気は命を奪う。わずかに太陽の光が届くだけの世界で生きて、進んでいく。
多くを失い、光を目指す。
キーワード:
最終更新:2021-10-25 23:11:17
24161文字
会話率:44%