人類の天井が迫っていた。
万物の霊長を自負するこの種は、ついに100億を超え、地球の隅々にまで広がった。
かつて空を目指し、海を渡り、未知を求めて進化してきた人類は、ほとんどの望みを叶えてしまったのだ。
「ならば、その先に何があるの
か?」
熱く燃えたぎるフロンティアスピリットは過去の遺物となり、
人々は無気力な安定に甘んじ、停滞と退屈が日常を支配する。
そして、そんな世界の中で、人類は自らの存在意義を見失い始めていた。
——だが、ある日。
突如として、それは現れた。
半透明のウィンドウが突然現れ、世界の摂理が変わったことを告げる。
"大いなる情報体"から人類へ課せられる無数の試練。
それは、人類に存亡の危機と、超常へ挑む力を合わせて与えるものだった。
生き残るか、淘汰されるか——。
世界の在り方そのものが、静かに、しかし確実に"変質"し始めたのだ。
帆世静香は、その変革の渦中にいつもいた。
始まりの記憶。その日、帆世は、今世で一度も着たことのないナース服に身を包み、見知らぬ地で目を覚ました。
——これは、人類の未来を決する戦い。少女は自由気ままに飛び跳ねる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-27 13:39:32
44574文字
会話率:22%
ある日突然、前世で読んだつまらない小説のドアマットヒロインに生まれ変わったことに気づいた私。
銀髪青い目の超美少女(しかも裕福な子爵家令嬢)に生まれ変わったのは嬉しいけど、このままだと、母の死後に家にやってくる義母と義妹にさんざん虐げられる
悲惨な未来が待っている。
最後に結ばれる予定の隣国の王子はちょっとだけ見てみたかったけど、そのために何年も辛い思いをするのは嫌なので、できるだけ速やかに虐げられる未来を回避することにします。
短編『作戦名は「先手必勝!」虐げられるとか本当に無理なので、早めに回避します! 』の連載版です。3話以降が新しく追加したお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-27 13:32:47
181444文字
会話率:31%
ある日突然、前世で読んだつまらない小説のドアマットヒロインに生まれ変わったことに気づいた私こと「エリザベス」
このままだと、母の死後に家に入った義母と義妹にさんざん虐げられる悲惨な未来が待っている。
最後に結ばれる予定の隣国の王子はちょっと
だけ見てみたかったけど、そのために何年も辛い思いをするのは嫌なので、できるだけ速やかに虐げられる未来を回避することにします。
どうか上手くいきますように!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-16 16:16:52
6578文字
会話率:20%
若くして死んでしまった男子大学生。
彼は現代とは違った世界で女として生を受け、レイナと名付けられる。
性別が変わったこと。
貧乏だったこと。
親が母しかいないこと。
辛いことは沢山あったが、それでも母のおかげで、レイナは幸せ
に生きていた。
契機は、十五を迎えた年のはじめ。
職業神託の儀によって『聖女』を賜ったレイナは、気づいてしまう。
この世界は、前世でやった乙女ゲーム、『悪役令嬢だって幸せになりたい〜ぽっとでのヒロインなんかに負けてたまるもんですか〜』だということに。
レイナの転生した世界は、普通の乙女ゲームとは逆で、悪役令嬢が主人公。
レイナは敵役の正ヒロイン。
ゲームでの正ヒロインの末路は、数々の悪役令嬢と同じモノ。唯一の救いは各令嬢のBADEND扱いである友情ENDだけ。
しかし、レイナを危機に陥らせる悪役令嬢は五人いる。
更にゲームの知識はうろ覚え。
普通にやっていては、五ルートの死亡フラグを全て回避するのは不可能。
そこでレイナが思いついたのは、悪役令嬢たちを堕とし、百合ハレームを作ることだった。
果たしてレイナは、五ルート全てのヒロインを堕とし、生き延びることができるのか。
一味違った悪役令嬢モノ、ここに開幕。
(一瞬だけ男に傾きかける描写があるので保険としてボーイズラブを入れてます。本筋は百合です)
※初日以外はしばらく一日一話投稿。
カクヨム、ハーメルンにも掲載中です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-27 07:10:00
186053文字
会話率:29%
イザベラ・ブランシャールは悪夢に苛まれていた。
それは夜会にて、最愛の人であり皇太子のアルベールから婚約破棄を突きつけられるというものだった。
身に覚えのない理由で婚約破棄を言い渡される。まるで物語の悪役が断罪されるかのような光景。
そ
んな夢を繰り返し見るうち、いつしかこれが予知夢であり暗示なのではないかと思うようになった頃。
彼女は、とある夢を見る。
その夢は。あろうことかアルベールが死んでしまう夢。
そして、夢での光景がそっくりそのまま現実に再現されていってしまう。
死んでしまう寸前でアルベールを救出するイザベラ。
夢の結果から変わったことに、イザベラはほんの少しの希望を抱く。
もしかして、あの夢の結果も、変わる?
アルベールを助けるため。そして、微かな希望を現実にするために。
夢での記憶を頼りに、イザベラは行動を起こし始める。
これは、悪役令嬢が断罪されるまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-24 15:00:58
197545文字
会話率:31%
レーナは、婚約者であるアーベルと妹のマイリスから書類にサインを求められていた。
その書類は見る限り婚約解消と罪の自白が目的に見える。
ただの婚約解消ならばまだしも、後者は意味がわからない。覚えもないし、やってもいない。
しか
し彼らは「名前すら書けないわけじゃないだろう?」とおちょくってくる。
それは今までは当然のこととして受け入れていたが、レーナはこうして歳を重ねて変わった。
彼らに馬鹿にされていることもちゃんとわかる。しかし、変わったことを示す方法がわからないので、一般貴族に解放されている図書館に向かうことにしたのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-17 20:11:26
11453文字
会話率:48%
俺は高橋健一、どこにでもいる平凡なサラリーマンだった。毎日同じ時間に目を覚まし、同じ電車に乗り、同じオフィスで働く。ただひたすら繰り返される日常の中で、何かが足りない、何かが変わらなければならないという思いが、ずっと胸にあった。
ある日、
そんな日常から抜け出したいという思いが膨らむ中、突然事故に遭い命を落とす。だが、何か違和感を感じて目を覚ますと、そこは見知らぬ森の中だった。空には二つの太陽が輝いていた。俺は、自分が「アレン・ヴァルド」という名の7歳の少年として、この異世界に生まれ変わったことを確信した。
どうしてこうなったのか、混乱する俺の頭の中で、前世の記憶が次々と蘇る。しかし、今の俺はこの世界で生きていかなければならない。この世界の家族のことを思い出し、安心感を求めて帰路につくと、家には母親リーナが温かく迎えてくれる。
その日の晩、食事を終えた後、リーナが俺に一冊の本を差し出す。異世界での生活が始まったばかりの俺には、それがどんな意味を持つのか分からなかったが、なぜかその本に強く引き寄せられる感覚を覚える。
その時はまだ知らなかった。あの本が「運命の書」であり、それが俺の新たな人生にどれほど重要な役割を果たすことになるのかを。
目の前の新しい世界に戸惑いながらも、アレン・ヴァルドとして生きる決意を新たにした俺は、この世界での自分をしっかりと見つけていくことになる。俺の異世界での冒険が始まったばかりだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-28 20:23:16
6120文字
会話率:32%
「お前は死神を殺したんだ」
――そう言われた日から僕の人生は大きく変わった。それは悪いほうか良いほうかはわからない。だけど人生が変わったことは確かだった。
貧民街で苦しいながらも楽しい生活をしていたシッド・デレイニーは親友の死と共に
自分が死神だということを知らさせることになる。そして死神殺しの罪を償うために処刑人のゲルティ・ダスラーとその奴隷、アニカと共に旅に出る。
これは、そんなバラバラな三人の処刑までの旅だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-22 07:00:42
38510文字
会話率:43%
あなたは経験したことがありますか?
交換日記。それは、絶望の始まりかもしれない。幸福の前兆かもしれない。
あなたは経験したことがありますか?
交換日記。それで、人生が変わったことは、ありますか?
最終更新:2025-01-19 19:26:40
247文字
会話率:0%
「だから魔法も物理も通用しない案件を持ってくるんじゃない」
ルチアは電波もろくに届かない田舎に生まれた、珍しく魔力の強い少女だった。
だからといって特別に変わったことはなく、ルチアは普通に平凡に暮らしていた――名門魔法学園への入学が決まる
までは。
今までないない尽くしの田舎にいたせいか、ルチアは不思議なモノに溢れている校内を見ても「都会ってすごい!」としか思っていなかった。例えそれが、どれほど冒涜的な生き物だったとしても。
しかしある事件をきっかけに、ルチアは自分が見えているものが他人と違うことに気付き……
あんまり怖くない魔法学園の怪異退治もの。
スレッド形式と小説形式が混ざっています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-22 19:10:00
62477文字
会話率:23%
よくある異世界転生のお話です。
社畜の前世を過ごしたアヴァは、ある日この世界の記憶を思い出す
ラノベの世界への転生した自分
街中で出会ったのは未来の夫
その夫に殺される運命のアヴァ・インノチェンテとして生まれ変わったことを気付く
冷たいは
ずの夫に嫁ぐまいと奮闘する
一方の夫は初対面の頃から一目惚れしたとプロポーズしてきて・・・。
すれ違い両想いの二人が両想いになるまでのお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-17 18:29:57
60272文字
会話率:44%
一月、ちょっと想像がつかないないほどお腹を空かせたオオカミは、森の入口で知り合いのクマに遭う。
「ところで、知ってるかい、この森はふしぎの森なんだ。今夜は、奥にいけばいくほど、ちょっと変わったことが起こる。その代わり食べものには困らないよ—
―」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-15 22:03:53
5126文字
会話率:13%
ある静かな夜、彼女と彼は公園のベンチに座っています。彼女は最近、彼の様子が変わったことに気づき、心配しています。彼は、日々のストレスや孤独感から思い詰め、自分の存在意義を見失っていました。彼女は彼に優しく声をかけ、何が彼を悩ませているのかを
尋ねます。
彼は最初は言葉を濁しますが、彼女の温かい言葉に少しずつ心を開いていきます。彼女は、彼が抱える苦しみを理解し、過去の楽しい思い出を語りながら、彼の大切さを強調します。彼女は、自分の側にいること、そして彼を支えることを約束します。
彼女の真摯な想いと愛情に触れ、彼は少しずつ心を軽くしていきます。彼女の言葉に勇気をもらい、彼は自分自身を大切にすることを決意します。最後には、彼女の温もりを感じながら、未来に希望を抱くようになります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-29 23:51:28
893文字
会話率:31%
大学院生の
大学院から飛び出た中村は、戦後日本の社会変動と個人のアイデンティティ形成について研究を進めていた。彼の研究テーマは「記憶とアイデンティティ」であり、集団的な記憶が個人にどのような影響を与えているかを探ることが目的だった。中村はフ
ィールドワークの一環として、地方の老人ホームや地域のコミュニティセンターを訪れ、複数の老人から過去の出来事について話を聞くことにした。
ある日、中村は地方の小さな町にある老人ホームを訪れた。そこで彼は、戦後の激動の時代を生き抜いてきた三人の老人、田中さん、佐藤さん、そして山田さんに出会った。田中さんは元鉄道員で、国鉄の民営化を目の当たりにし、その変化に対する思いを語った。佐藤さんは阪神・淡路大震災の被災者であり、その経験が彼の人生観をどのように変えたかを話した。山田さんはリーマン・ショック後に派遣切りに遭い、雇用不安に直面した経験を共有した。
中村は彼らの話を丹念に記録し、それぞれの体験が彼らのアイデンティティ形成にどのように影響を与えたかを分析した。田中さんは、国鉄の民営化により職場が変わったことで、自分の仕事に対する誇りや仲間との絆が揺らぎ、自身のアイデンティティに疑問を感じたという。佐藤さんは震災を通じて、人との絆の重要性を再認識し、それが彼の生き方に大きな影響を与えた。山田さんは、雇用の不安定さが自己肯定感に影響を与え、自分の価値について考え直すきっかけとなった。
フィールドワークを進める中で、中村は老人たちの語る過去の出来事が、単なる個人の記憶ではなく、集団的な記憶として社会全体に影響を与えていることに気付いた。彼らの話を通じて、中村は戦後日本の社会変動が個人のアイデンティティ形成に与える影響の大きさを実感した。
研究の最終段階で、中村はこれらのインタビューを基に論文をまとめ、集団的な記憶が個人のアイデンティティにどのように影響を与えるかについての新たな視点を提示した。彼の論文は、過去の出来事が現在の個人や社会に与える影響を深く探求するものであり、社会学の分野に新たな洞察をもたらした。
このフィールドワークを通じて、中村は自分自身もまた、過去の出来事や集団的な記憶によって形成されていることを改めて認識した。そして、彼は老人たちの語りから得た教訓を心に刻み、これからの研究に活かすことを誓った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-15 08:33:47
78417文字
会話率:49%
皆さんは、実際にはあり得ないけど楽しい妄想をしたことはないでしょうか。
自分が実はすごい能力を秘めていたとか、隠し持っていたとか。
クラスにいきなりテロリストが入ってきて、私がばばーんと解決しちゃったりとか。
唐突に異世界召喚が始ま
って「あなたが勇者様です」とか「聖女様です」って言われたりとか。
いきなりトラックが突っ込んできて転生してしまうとか。誰かに追放されてその後大活躍したりとか。
あとは――隣のクラスメイトが、実はものすごくやばい人だったりとか。
新藤 アキハは、星海 ユウのことが気になっていた。一見優しいだけのクラスメイトは、実はかつて宇宙を救った最強戦士だった!? 神にも近しい力と世界を斬る剣で、超絶巻き込まれ体質のアキハに次々と襲い来るあらゆる理不尽も困難もぶっ飛ばす! シリアスを斬ってヒロインが笑う、ちょっぴり変わったことの多い日常系ファンタジー。
※アキハとユウと仲間たちが、数々の異変に巻き込まれて、わちゃわちゃ解決するのを楽しむ話です。よくある異世界ネタ、現代ファンタジーネタ等々が多数登場しますが、大体(スペックの暴力で台無し的な意味で)ひどいことになります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-09 21:56:54
83838文字
会話率:36%
90年代、学校の怪談ブーム華やかなりし時代に子ども時代をおくった私は、奇妙な怪談話を作り出した。
時が経ち、変わったことなど何もない平凡な人生を歩んできた私の耳に、かつて作った怪談話が届き……。
ノスタルジーと恐怖の入り交じった短編で
す。ぜひお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-19 21:29:01
6558文字
会話率:11%
ある不動産会社の営業社員だった男性はある日突然、命を落とした。
そして西洋の雰囲気が漂うどこか不思議な世界を救う勇者に転生、これまでとは全く異なる身分の人間として生まれ変わったことに、彼は戸惑いの感情が入り混じった産声を上げた。
それで
も新たな環境に新たな姿で降り立った男性は、前世とは大きく異なる生活を送るはずだったのだが。
「おい勇者。・・・吾輩、妻に愛想をつかされて出て行かれてしまったんだ。ちょっと相談に乗ってくれるか?」
「ええ、もちろんです。まずはどうしてこんなことになったのかお話しください」
何故だか勇者は世界ではなく、魔王と魔王の妻との仲を救おうとしていた。
※以前、4話連載で書いた作品の長期連載版です。以前の作品は終わったのにも関わらず、色々と補足したり追加したりしたいところがあったので思い切って再スタートします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-04 18:35:35
137886文字
会話率:44%
「お前なんか生まれてこなければ良かった」
母親に罵倒されたショックで、アイオラに前世の記憶が蘇った。
「愛され聖女の物語」という物語の悪役聖女アイオラに生まれて変わったことに気がつく。
アイオラは、物語の中で悪事の限りを尽くし、死刑さ
れる寸前にまで追い込まれるが、家族の嘆願によって死刑は免れる。
しかし、ヒロインに執着する黒幕によって殺害されるという役どころだった。
このままだったら確実に殺されてしまう!
幸い。アイオラが聖女になってから、ヒロインが現れるまでには時間があった。
アイオラは、未来のヒロインの功績を奪い生き残るために奮闘する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-19 06:49:24
3023文字
会話率:19%
弟大好きな公爵令嬢ゲルダリアは、ある日、自分がゲームの中の世界に生まれ変わったことに気づいてしまう。
そのゲームは、前世の友人が好きだった乙女ゲームの世界。
ゲーム世界でのゲルダリアは、攻略対象である弟キャラに近づく女を許さないブラコ
ンだった。
どうせならRPGの世界で魔法使いになりたかったゲルダリアは、そんな展開を避けるために家を出る。
そこで、前世で散々憧れた魔法使いを目指した生活が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-17 06:00:00
805147文字
会話率:28%
前世で悪役令嬢として処刑された記憶を持つ主人公、エレナは、今世でも同じ悪役令嬢として生まれ変わったことに気づく。しかし、今世のエレナには特殊な能力があった。それは、触れた相手の心を読む能力だった。
エレナは、自分の能力を使って周囲の人々の本
当の思いを知ることで、前世とは異なる人生を歩もうと決意する。しかし、彼女の能力は、時に人々の暗い秘密も明らかにしてしまう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-20 13:25:38
4365文字
会話率:33%
使徒という存在が秘術という不思議な力を使う世界で、二人の男女が異文化交流をしながら愛を育んでいく話です。
フェレス伯爵家の長子として生まれたナディアには、腹違いの可愛い妹がいる。ナディアが生まれてすぐに実母が亡くなり、伯爵家にはすぐに後妻
がやってきたのだ。しかし後妻は妹ばかりを可愛がり、事あるごとにナディアを詰った。けれど教育や食事に手は抜かれなかったし暴力を振るわれている訳でもないので、扱いの差くらいは仕方のないことだとずっと我慢をし続けていた。妹はナディアを慕っているものの、大きくなっても姉の真似をしたがり姉の物を欲しがったがそれでも可愛らしいものだった。姉である自分が我慢をすれば、存在感の薄い気弱な父も義母に叱られることもないのだ。そう思っていたけれど義母はついに本性を現し、ナディアの婚約者と伯爵家の相続権を奪おうとした。もうどうすることもできなかったナディアは実母の実家に駆け込み、助けを求める。そして、気づいた時には隣国である異国の地に旅行に来ていた――!
隣国では文化や風習が違い戸惑うことも多かったけれど、何故か王弟閣下が自ら案内をしてくれることになり、いつしか二人は兄弟のように仲良くなって――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-03 00:29:01
131971文字
会話率:71%